Jリーグ2階の目線2017 横浜1-0東京

左サイドで先発した山中は再三再四の裏への仕掛け。パスの収まりどころにもなり重要な役割を担った。そして、芸術的なファールによるチャンス潰しは見事。中澤の相棒に復帰した栗原は空飛ぶ要塞っぷりを発揮。ガスのクロスを、ことごとく跳ね返した。高いテンションで、あっという間に試合は進んでいく。スコアレスのまま。
「もし、勝負に出るのであれば、ほとんど仕事を出来ていない天野を下げるべきじゃないか。」
だが、交代したのはウーゴ・ヴィエラだった。代わって登場したのはケイマン。このとき、劇的なゴールを予感できたサポーターは少数だった。

不思議な出来事がたくさんあった試合だ。

どうみても痛くないのが明白だが倒れているマルちゃんを無視して攻めるトリコロール。
「行け!!」
「ほっとけ!」
構わずプレーは続く。
「そろそろ諦めろマルちゃん。」
「もう、いいから立てって。」
ところが、なぜかガスがボールを蹴りだす。すると立ち上がろうとするマルちゃん。
「出すなよ。続けろって。」
「なんで、ウチが出さないでガスが出しちゃうんだよ。」
普通の試合であれば、味方が倒れれば「出せ!」とクレームを叫ぶのだが、全く逆だった。

ゴール前でボールをキープしようとして滑って転ぶ中澤。絶体絶命。ボールを奪う大久保。だが、大久保も滑って転びピンチを脱する。
「コントかよ!」
「助かった。」

キャッチしたボールを持ったままゴールラインの外に出してしまいコーナーキックを献上する日本代表GKの林。そして、何度も何度もボールを蹴り損なってボールをゴールラインから外に出してしまう日本代表GKの林。

最後の不思議は、試合を決めた天野の右脚だった。

林のキックがタッチを割り、スローインからパスを繋ぐ。ゴール前のワンツーとしては致命的な浮き玉パスを左脚で出してしまう天野。あまりに酷いパスだ。しかし、それをケイマンが体を張って俊敏に頭で、信じられない程の正確さで天野の足下に戻す。一瞬の間もなく、天野は右脚を振り抜く。

「あまのー!」
ゴールネットに突き刺す。
「すげー!!」
涙が溢れる。大絶叫で、ひとしきり喜んだところで、少し無言。口を開く。
「うーん、俺の見る目がなかった。」
「さっきは左脚で、あんな宇宙開発していたのになんであんなこと出来るんだよ!?」
「サッカーわかんねー!」
歓喜の雄叫びの直後とは思えない、じわじわとした笑いがこみ上げてくる。

しかし、笑っていられたのはわずかな時間。ガスの波状攻撃がトリコロールを襲う。トリコロールも学、マルちゃんのドリブルで対抗する。スタンドは白熱し絶叫。アディショナルタイム4分間が長く感じられた。といっても、トリコロールが堅守の1-0を持ち味としていくのであれば、これくらいエキサイティングな試合であってほしい。追い詰められてギリギリで勝ち切るスリルは3-0の楽勝試合よりも興奮度で上回る。試合終了のホイッスルが響きスタンドは絶叫。この試合は、1-0でも充分に観客を魅了できることを証明した。

3連勝で、気がつけば順位は暫定5位に浮上。終わってしまえば笑いが止まらない。
「やっぱ、点を獲った奴が一番偉いのがサッカーだからなー。」
「でも、今日は、扇原が凄かった。」
「扇原が動くと中町もやりやすそうだ。」
「コンビネーションがいいよねー。」
「そう考えると、天野ってあれ以外は何をやっていたのか思い出せないんだけどなー。」
「天野は難しいことをやりすぎなんだよねー。シンプルに前に攻めればいいのに。」
「でも、点を獲った奴が偉い。」
「あとは大久保だなー。ちょっとずつ衰えたかなー。」
「あれだけ外してくれると好きになりそうだ。」
「そういえば、梶山が入ってからだったね、得点。」
「さすがは味方だ。持ってる。」
内容が良いとまでは言えない。でも、先週までのトリコロールとは、また一味違う、引かない強さを感じる試合だった。今年のトリコロールには進化とドラマがある。できれば、ドラマはハッピーエンドが好みだ。上に挑める勝ち点になってきた。

<試合後のコメントはこちらをご覧ください。>

<様々な目線から捉えた試合>

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Jリーグ 2階の目線2017横浜2-0川崎

残念な現実だが、トリコロールの再生には川崎の力を借りることが必要だった。この一戦はダービーではない。その理由は、トリコロールのサポーターであれば、誰もが当たり前のように目にしているだろう。だが、クラブは「神奈川ダービー」と銘打ち「決戦」の文字をポスターに落とし込まなければならなかった。Aチーム(天野チーム)に必要だったのは、崖っぷちの危機感と緊迫感だったのだ。大観衆を集め、勝たなければならない一戦だというプレッシャーを受けて、やっとリーグ戦は開幕当初のテンションを取り戻すことができた。勝ち点3を上回る収穫が、ここにある。

立ち上がりは川崎が慎重。だが、冷静に闘ったのはトリコロールだった。主審はアンフェアなコンタクトに厳しい。それを見極める。スライディングはボールに触っても、その後に残った脚をさらうプレーには厳しく判定を行った。手を使うのは厳禁。その基準を理解しないままにゲームに入っていったのは川崎だけだった。
「きたねーぞ川崎!!・・・言ってみたかっただけ。」

扇原の寄せが早い。何度でも動き直してコースを塞ぐ。スペースを中町が埋める。天野は、これまでのツートップの守り方ではなく扇原と中町のすぐ前に位置して中央を固める。川崎は中村憲剛が後ろからパスをさばくが、トリコロールの守備陣の手前の深い位置からのみ。勇気のないパスだから怖さがない。中央の攻めが通用せず仕方なくサイドに回すが、家長も田坂もパスを回すばかり。川崎の立場で言えば「何もできなかった前半」が終わる。トリコロールにとっては上出来の前半だ。

後半に入ると、川崎が攻撃のスピードアップを図る。だが、トリコロールに破綻はない。扇原、中町、天野の関係は絶妙だ。
「中町が素晴らしい。」
「中町が中町らしくないほど良い。」
「中町ではなくて大町なのではないか。」
「大町ってどこだよ!?」

そして、歓喜の瞬間は突然にやってくる。天野のローングパスにマルティノスが折り返してウーゴ・ヴィエラがゲット!!
「ウォーーーーー!!」
私たちの後ろの席のグループが驚いて引くくらいの狂乱の喜びっぷり。もみくちゃになって気がつけば、座席の順と違う位置に仲間がいる。倒れかける。脚を打つ。
「すーーーげーーーーー!!」
このビッグマッチで、これほどまでにダイナミックなゴールを魅せてくれるとは、セルビアリーグの得点王は恐るべし。そして、こぼれ球のためにゴール前に詰めている扇原。

川崎の攻めが通じない。楔のパスに対しては、中町が最終ラインをカバーして中澤が前で守備の勝負をする。久しく見なかった守り方だ。かつて中澤は前で守備をするのが得意だった。それは松田のパートナーとしてプレーをしていた時代のことだ。堅守のトリコロールが帰ってきた。そして、ピンチには中町がカード覚悟の真っ黒なスライディングで止める。客観的に見れば酷いファールだ。だが、トリコロールには極上のエンターテイメント。その上、主審はアドバンテージをとらず川崎の大チャンスを潰してくれる。さらには、川崎がプレーを再開するが、一歩早くケイマン投入により主審の笛が吹かれ、そのリスタートがやり直しになるという、実に黒く輝く美しい流れ。これぞ「黒いトリコロール」中町の真骨頂だ。どうやら、今シーズンのトリコロールには一色足りなかったのかもしれない。

あのゴールキック。学が複雑にコースを変え、走っていく向こうに、微かに幻のように山西の姿を見た。それは、きっと、中澤の550試合出場表彰のプレゼンターが久保だったからだろう。あのシーンが走馬灯のように蘇ったのだ。川崎の守備陣が山なりのボールの処理を誤り、マルティノスがかっさらったボールは丁寧なパスでケイマンに。ループシュートは、ゆっくりとゴールマウスに吸い込まれていく、これまた山なりのボール。「カウンター頼みの糞サッカー」と、よく敗者が負け惜しみを言う試合がある。鋭いカウンターに失点すれば、それは悔しいことだろう。だが、見よ、この山なりのボールの3連続。鋭いカウンターとは対極のゴールへのプロセスで川崎にトドメを刺す。

始まるWe Are Marinosの大合唱。あとは川崎の苦し紛れのイージーなクロスを跳ね返すだけで良かった。

試合終了後、選手たちがピッチを去ってから、川崎サポーターは、この試合で最大の大声量で歌い続けた。崖っぷちから生還したAチームとは対照的に川崎の選手たちは失うことを恐れた。強豪となり、彼らには失うものができたのだ。そして、選手だけではなく、サポーターも強豪となって変わった。「けっしてブーイングしない」「親切」「にこやか」そんな川崎サポーターの良き姿は、この数年間で急激に失われていった。だが、ここにきて、彼らも自らを守りたいのだろう。すでに失いつつある自身のアイデンティティをギリギリのところで繋ぎ止めておきたい想いが、その歌声からトリコロールのサポーターに伝わり、日産スタジアムは、より哀れみの空気を増していった。

歴史は回る、かつて、川崎のサッカーは「外国人頼みの分業カウンターサッカー」と他クラブのサポーターから揶揄された。それが、今ではパスを繋ぐポゼッションサッカーの本家本元のような立場になり、川崎サポーターの多くは、トリコロールのサッカーを「ドン引き」「カウンター頼みの糞サッカー」と酷評した。一方で、主力メンバーを一新したトリコロールはポゼッション志向のゆったりとしたサッカーから、攻撃に時間をかけないアグレッシブなスタイルへと変身の途中だ。かつての強豪は中位からの再建中。かつてトリコロールがJ1を連覇した頃にはJ2だった川崎が、今では優勝候補。いつの間にか立場は逆転していた。だが、幸いなことに、彼らは、まだ無冠だ。再びトリコロールが立場を入れ替えることは可能だ。その新たな歴史は、この試合を契機に、また回り始めたのかもしれない。皆に愛される中村憲剛の操る、この試合の川崎の稚拙な攻めを見るに、私たちは川崎サポーターの苛立つ気持ちが良くわかる。

Aチームは息を吹き返した。昨年の例を見れば、ルヴァンカップの敗退とインターバルによってBチーム(バブンスキーチーム)のメンバーがリーグ戦にも登用されるはずだ。まずは右サイドの松原が出場停止。代表招集でデゲネクとバブンスキーが欠ける試合もある。ここからが、今シーズンのトリコロール第二章だ。どこまでいけるか、それとも、中位どまりなのか、まだ、航路の先は見えない。

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<様々な目線から捉えた試合>

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Jリーグ ルヴァンカップ2階の目線2017横浜1-2広島

リーグ戦で残留争いに巻き込まれている広島は、守備に重心を置き、一気呵成に攻めてくることはない。だから、ゆっくりとパスを回して時間を使いながら、隙を見つけたときにだけ攻めるふりをしてさえ良かった。引き分けで良い試合なのだ。

右サイドの新井が脚を攣りかけてデゲネクに交代。ところが、デゲネクは何を考えているのか、右サイドバックとして、いきなり敵陣奥深くにまでドリブルで攻め入った。そして、守備では柏は右足でカットインしてくるだろうというヨミに基づき左足の前はガラ空きのまま。簡単にクロスを入れられ失点。敗退が決まった。

怪我から復帰した中町、ケイマンが素晴らしいプレーを連発しスタンドを沸かせ、シーズン当初にはパフォーマンスが低調だった高野と中島が攻撃的な縦に鋭いプレーでサポーターの心を動かし、仲川がゴールを奪った。この試合は実質的には圧勝に相当する引き分けとなるはずだった。しかし、結果は敗退。期待の大きかったBチーム(バブンスキーチーム)は、こうして解散となった。

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Jリーグ 2階の目線2017横浜3-1清水

過去に行ったアンケート調査では、トリコロールのサポーターに最も人気のあるアウェイ遠征は清水戦だった。美しい富士山と駿河湾の眺め、美味い魚、専用スタジアムの2階席から見下ろすピッチ、そしてなにより勝率が良い。こんな、みんなが大好きな遠征が、昨年には先方の勝手な都合により開催されなかった。だから、今年の期待は大きかった。

晴天。過去に見たことがないほどの美しい海と伊豆半島の境目。絵に描いたような景色が2階席の向こうに広がる。この眺めだけで、気分は爽快。来た甲斐がある。では、試合後の気分は、どうだったか。爽快とまではいかない。あまりにゴタゴタしたチームワーク。でも、終わってみれば3-1。満足度の高いアウェイ遠征の条件に「素晴らしい試合内容」は含まれない。素晴しかろうが、素晴らしくなかろうが、楽しければ良い。それがアウェイ遠征だ。判定を巡るトラブルや、帰りのバスの列で聞こえてくるサッカー通のクソ親父の負け惜しみ。そんな雑音を聞きながら、圧力に打ち勝って、勝利を味わうことこそが、アウェイ遠征の醍醐味なのだ。

「清水、大好き。」
「いやー楽しかった。」

ルヴァンカップの鳥栖戦の噂は、あっという間に広がった。「どうやら、ルヴァン・カップのメンバーの試合の方が面白いらしい」「選手が生き生きとしている」「とにかくシュートを撃とうという意欲が伝わってくる」などなど。これまでAチームがリーグ戦のメンバー、Bチームがカップ戦のメンバーだと思われていた。しかし、評価は一変した。
「Aチームは天野チームでBチームはバブンスキーチームらしい。」
「どうも、本当はAチームがカップ戦のチームらしい。バブンスキーチームなのに。」

停滞感が漂うリーグ戦のチームは、カップ戦の結果を受けて変わるのだろうか。そんな注目を浴びて、試合はスタートする。変化は、伝わった。
「マルちゃんが、まったく無駄なドリブルをしない!!」
不調が続いた学は怪我の影響でベンチ外。これまで右だったマルちゃんのポジションは左に。ぎくしゃく感がありながらも、全てが好転し始める。素晴らしい松原のゴールで先制。相変わらずの劣勢続きで失点。マルちゃんのスーパークロスからウーゴ・ヴィエラのウルトラゴールで突き放し、クライマックスに、驚愕のゴールが待っていた。

審判や対戦相手に突っ掛かるばかりで、まったく試合に入れていなかった天野は、右サイドにいた。しかし、終盤になると走ることもなく、やってきたボールを繋ぐこともドリブルすることなく、ただ前に蹴り出すだけで何もしない。すでに、一人少ないも同然の状況の中でのアディショナルタイム。扇原がスライディングで穴を埋めるがごとくボールを奪いに行く。スライディングが届かない。もう一度スライディング。それでも、攻め入られる。さらに3度目。スライディングでディフェンスラインの裏にスルーパス。走り込んだウーゴ・ヴィエラがこれを決める。

「うぉーーーーーー!!!」
「すげーー!!!」
「扇原すげー!!!!!」

決して褒められるような試合ではない。ハーフタイムに予想した通りに失点した。パスワークはぎこちない。でも、今節も、少し前進している。そして、走った選手の労が報われた。ウーゴ・ヴィエラ、マルティノスの再三再四のスプリント。倒れても立ち上がり、何度もオフサイドになっても裏を狙うことをやめない。攻撃を司った扇原。清水のクロスを跳ね返し続けた栗原、中澤、デゲネク、飯倉、そして喜田。闘い続けた両サイドバック。カップ戦に続いて登場した山中。監督采配も冴えた。

そう、満足度の高いアウェイ遠征の条件に「素晴らしい試合内容」は含まれない。約束するわけでもなく訪れた河岸の市で、いつもの顔に出会い、仲間と挨拶の言葉を交わし、美味いランチを食べ、応援し、ビューティフルゴールを3つも見られた上に勝利した。工夫があり、前進し、闘うサッカーは面白かった。このアウェイ遠征に満点をつけたい。

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Jリーグ 2階の目線2017横浜1-1仙台

あまりに酷い、というか、我々のヒーローであるはずのトリコロールの選手たちがカッコ悪い。無残な姿だった。完全な負け試合を引き分けたのは良いとする。しかし、ピッチ上の姿、試合後の姿が、あまりに情けない。そんな中で、スタンドに向き合う喜田ら一部の選手と、マルティノスがスタンドに丁寧に手を振る姿に、辛うじてプロフェッショナルなチームの姿を見たが、チーム全体にスタンドのファン・サポーターにプロのサッカーを見せるという気概を感じなかった。

試合開始早々にピンチの連続。
「仙台の方が人数が多く見える。」
「同じ人数だよね。」
「たぶん。」

まったく前田と伊藤が機能しない。伊藤はスピードが遅いので、裏を狙っても一人ではやりきれない。前田は「裏を狙え」という指示、「バブンスキーのようには下がってくるな」という指示が監督から出ているのだろうか、ポジショニングが極端で、必要な場面で数メーターも下がってくる動きをしないので中盤からのパスを受けられない。学が左サイドから中央の位置に入ってきてパスを受けようとする。前田は中央か右サイドでしかプレーを好まないので左サイドには誰もいなくなる。
「後半のアタマから前田に代えて扇原でいいんじゃないか?」
「いや、今すぐ交代でも良いだろう。」
最終ラインや喜田、天野はパスコースの選択に困り、学、マルティノスの両翼にしわ寄せが来る。

「アディショナルタイムは、もういいよ。やめよう。」
「このままじゃ、持たない。いつ失点するかわからない。」
「前半というか、もう試合終了で引き分けでいい。」
「残りの45分間は歌謡ショーでもやってお茶を濁せ。」

そんな会話をしていると、見事なスルーパス。

「うわぁーーーー決まった!!」
「しかも前田!!」
「見事!」
「アディショナルタイム、必要だった!!」
「でも、もう終われ!!」
「もういい、これでいい。終われ!」

試合前にピッチサイドで練習を見学した仲間が情報をもたらす。
「ピッチはかなり暑い。かなり消耗しそう。」

後半からはツートップに布陣を変えて、下がり気味で受ける役割を前田ではなく伊藤が担う。ただし、伊藤のプレーは、スローモーでチーム全体にリズムが生まれない。「僕と翔さんが連続してボールを追うしかないというのがありました。そこはしんどかったですけど、意識して追ったつもりです。」と試合後にコメントした前田。それは、喜田のいう意思統一できていない動きの一つ。2人だけが追う必要のないところで追い、その成果はなく、消耗するだけだった。動くべきところでは動かず、サイドからの「ここしかない」というクロスには「ここに誰も走り込んでいない」で仰け反る。

「ニアしかないのに、なんで後ろでのんびりジョグしているんだよ!」

痛めたと思い込んでいた前田の交代の理由が、実は「足が攣ったから」だとわかり、より一層の深い落胆。シュートを撃てない、得点が獲れない・・・その主たる原因は監督采配なのか、選手の問題なのか論争があった。だが、この試合で、一定の結論は出た。繰り返される安易なヒールパス。そして、前半の途中まで行われた不思議な陣形424。その2の横のスペースを自由に使われて蹂躙を受ける。ピッチ上で選手が状況判断をできていないか、必要な場面で全力を尽くせていないことは明白だ。いうまでもなく「全力を尽くした負けは美しい」。だが、やるべきことをできていない試合では選手たちはカッコ悪く見える。

逆に、良いシーンもあった。裏に抜け出るシーンが増えた。斜めに走りパスを受けるシーンは練習の成果だろう。そして、前半の松原がオフサイドになるシーンは象徴的だ。サイドバックが最前列にまで長い距離を走ってチャレンジしているのだ。松原の左足の低くて速いクロスから学のダイビングヘッド。美しく驚きのある攻撃だった。
「守備がボロボロだったけれど、一つ良かったところは審判の守備!仙台の出したいパスコースを、審判が、ことごとく潰してくれた。」
こちらには12人いたというのに、数的優位を生かせない残念すぎる試合だった。スタジアムが下した試合の評価は、試合終了後の沈黙が、無言で語り尽くしただろう。

「でも、ちょっと待て。ダメだダメだと言っても、この2試合で勝ち点4も獲れてるぜ。」
「本当は0でもおかしくないのに!」
「けっこういけてる。」

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Jリーグ 2階の目線2017横浜1-0甲府

甲府のサポーターは、ルヴァンカップのホームゲームのゴール裏の人数と、同数くらいが三ツ沢を訪れた。アツくまとまった応援は、ゴール裏とメインスタンドのアウェイゾーンからピッチに声を届けた。そして、試合後には盛大なブーイングを松尾主審に贈り、ゴールデンウィークに続く2度目の対戦は、同じ1-0で幕を閉じた。

同じ1-0といっても、印象はかなり違う。この試合の結果は「勝利したものの不満の残る1-0」。ルヴァンカップでの1-0は逆で「得点は1点だけだったが、若いメンバーの積極性に大きな収穫を得た1-0」だった。
金井のゴールでリードをした前半を終え、ハーフタイムに声がかかる。

「石井さん、この試合、鳥栖戦と比べてどう?」
「全然いいって。鳥栖戦と比べたら、全然いい。」
「えー!?そうなのか。これでも、鳥栖戦よりも良いのか。」

会話は、ちょっと違った方向に逸れていく。

「セレッソ戦のアウェイと比べてどうなの?」
「鳥栖もセレッソも行った人は・・・?」
「両方行ったよ。えーとー、鳥栖戦よりもセレッソ戦の方が酷い。」
「セレッソ戦の方が酷かったのかぁ。負けた。」

最もダメな試合を観戦した奴が勝ち。そこまで感じられるようになれば、サポーターとしてはベテランの領域に足を踏み入れたことになる。

悪いことばかりかというと、そうでもない。まずは、連敗を止めたことで一安心だ。そして、良い兆しや改善のヒントは見つかった。喜田が加わり、中盤でパスを受けようとする動きが増えた。ディフェンスラインの裏を狙ったスルーパスが復活した。扇原が加わって中盤の構成が扇原・喜田+天野になると、天野が素早く前を狙うパスを増やしたし、前線に顔を出そうとする動きも目立った。扇原の「安全な場所を探し出してパスを選択する才能」は素晴らしく、これまでに経験してきた修羅場の数をうかがわせた。いつになくマルティノスは積極的で、マルティノスにしては痛がる時間が短かった。

決定的な場面でシュートが枠に行かない、ワントップの伊藤翔のボールコントロールがまどろっこしい上にフィジカルコンタクトで負けすぎる(吹っ飛ばされてボールを手で触れてしまいハンドリングの反則を取られるシーンも)などなど、レベルの低いシーンも続出したのは確かだが、それでも、決めるべきところで決めれば2-0や3-0で勝利してもおかしくない試合だったはずだ。だから、勝利以外の満足感は薄くても、希望の光が未来にかすかに見える勝利となった。

最後に、誤審について触れたい。デゲネクがドゥドゥを倒したシーンは完全にPKだった。決して不可解な判定ではなく、主審の松尾さんがボールから遠すぎる位置で判定を下したがために見間違えたのが原因だろう。甲府サポーターが怒るのは理解できるし、お気の毒だったとしか言いようがない。逆に、伊藤翔のヘディングシュートはオンサイドだったが、副審の見誤りでオフサイドに判定をされてゴールは取り消された。もし仮に、いずれも、正しい判定をされていたら、試合の結果は2-0.7くらいだったと思われる。

誤審は、どのクラブにも平等にやってくる。そこに不公平感はない。そして、誤審は、時に救世主でもある。この程度のデキのトリコロールに完封負けをした甲府は、本来であれば、失点に結びつくミスをした選手が厳しい批判を浴びてもおかしくない。また、甲府は安易な反則が多く、自ら試合を壊していった。しかし、松尾主審が彼らを救った。誤審が敗因としてピックアップされることで、批判の目は監督や選手ではなく松尾さんに向いたのだ。また、甲府でのリマッチは、甲府にとっては「誤審さえなければ勝てたはずだという証明をする試合」となる。注目度も高まり、サポーターの応援にも熱が入るだろう。けっして誤審は悪いことばかりではない。むしろ、スタジアムに熱気を生み出す美味しいスパイスになる。「それでも、絶対に誤審を防ぐべきだ」という明確な理由があるとしたら、それは「サポーターの主審に対する犯罪者扱いともいえる悪質な誹謗を防止するため」だと思う。

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Jリーグ2階の目線2017 横浜0-1鳥栖

アウェイスタジアムの圧力を感じるときと感じないときがある。その違いは何だろう。この日の鳥栖の雰囲気は、大きな圧力を感じさせた。いつも思うのだが、圧力を感じる大きな要因は、遠く対岸にあるゴール裏の応援だけではなく、ゴール裏に影響されて起こるメインスタンドとバックスタンドの応援。この日はレディースデーと銘打たれた。ピンクのユニフォームに染まり配布されたハリセンが手摺で打ち鳴らされたスタジアムでは、全方位から音のうねりがこだました。日曜日の夕方キックオフ。当日の飛行機のキャパシティに限界があるため、駈けつけられたトリコロールのサポーターの数が少ない。メインスタンドには少数。ゴール裏も1階席の四割程度の幅しかアウェイエリアは割り当てられなかった。ゴールデンウィーク最終日。試合終了約2時間後が搭乗時刻となる福岡発最終便の飛行機チケットの争奪戦を制し、駆けつけたサポーターには、それなりのリスクを背負った覚悟があった。

試合が始まる。いつものように、ふんわりと、決められたサッカーをやろうとする。ところが、鳥栖は、いつもの対戦相手よりも守備を開始する位置が高く、守備のタイミングも早い。ミスとセルフジャッジのオンパレード。トリコロールの選手たちには、自信なく、余裕なく、覚悟無く、ここまで気持ちで負けているように見える試合の立ち上がりは珍しい。山中の投入と、鳥栖の疲れが相成って、終盤には攻勢に出る時間もあったが、87分頃に、まだセルフジャッジと主審へ助けを求める抗議。そこまで、自分たちで闘い抜いて得点を奪う自信がないのか。伸び伸びとプレーしチャレンジを続けた甲府での若い選手たちとは対象的だ。

アウェイスタジアムの圧力といっても、この日の観客数は、たかだか約2万人。失点のシーンはスタンドの音量も小さいタイミングであり、プレーに大きな影響を与えたとは考えにくい。でも、再三再四のミスは起こり、縦への推進力は失われ、互角に闘えたのは後半だけだった。選手のコメントを見れば、何かが大きく間違っているわけではなさそうだ。でも、ピッチ上でのアドリブが足りない。お互いを助け合う動きが足りない。自信なさげに安全な足元へのパスを選択し、ダイレクトでパスすべきところを止めて奪われることも目立つ。

福岡空港の搭乗開始時刻の直前に、選手たちは搭乗口に集まってくる。恐ろしく怖い顔の中澤は目が三角。どの選手も「今日は話しかけてくれるな」というオーラを醸し出している。楽しい連休特有の空港の騒ついた賑やかさはなくなり、重苦しい雰囲気に包まれて、選手、スタッフ、サポーター、そしてスタジアムで鳥栖サポーターを盛り上げた幸田來未が機内へと足を進める。

こうして、私たちのゴールデンウィークは終わった。

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「川崎フロンターレのサイトから読み取る水原事件の謎」と危機 マリーシア感情的サポ論

川崎フロンターレの男性サポーター2人組が2017年4月25日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のアウェイ水原戦で旭日旗を掲出した事件について、AFCは、川崎フロンターレに1年間の執行猶予付きでAFC主催試合でのホーム戦1試合を無観客とする処分と罰金1万5000ドル(約165万円)を科した。当初、AFCは少なくとも2試合の無観客試合と1万5000ドル(約165万円)の罰金、観客には最低2年の入場禁止の処分を科す可能性があるとしていたため、処分はかなり軽減された印象だ。一方、試合を主催した水原には処分はなかった。安全な試合運営を行えなかった主催者として処分対象になるのではないかと思われていたため、処分がないことに不満を抱くサポーターは多い。では、なぜ処分がなかったのか、川崎フロンターレのオフィシャルサイトから探ってみた。読んでみると意外な事実が浮上した。

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前提として、公式文書においては「記載されている主張が具体的な主張」「記載されていない場合は具体的には主張していない」「『等』と記載している場合には何にでも広く適用できる」とういうのが一般的だ。また、2017年4月28日に日刊スポーツに掲載された記事によると藁科(わらしな)義弘社長は「問題となったフラッグに関しては、我々の考え方としては政治的、差別的なものではない。主張していくべき点は主張したい」「観客の安心・安全の確保は、ホームとアウェーの両クラブの義務。お互いが協力しあってしっかりしないといけない。それが確保されなかったのは真摯(しんし)に反省している」と発言している。よく読むと、「主張していくべき点は主張したい」としているが、水原への処分の要求や川崎フロンターレの処分軽減を具体的には言葉にしていない記事となっている。
(※追記:川崎フットボールアディクトの記事の中では「試合が終わった後、一定の時間の中でマッチコミッショナーに申し入れしなければならない、というルールがある」が、これを川崎フロンターレは行っておらず、期限後に「我々の主張を文章で提出した際にその件も伝えています」と藁科義弘社長は記者会見で答えたとされている。しかし、そのことについて川崎フロンターレのサイトの中では説明がない。)

AFCによる処分決定を受けて、2017年5月4日に川崎フロンターレが掲載した「アジア・サッカー連盟による当クラブへの処分について」によると、驚くべきことに、川崎フロンターレは、水原側には処分の理由となる明確な運営の落ち度が無いと受け取れる表現をしている。水原の運営が事件の原因だという「主張していくべき点」は主張されず、水原の処分を求める文章が見当たらない。掲載内容は以下のようになる。
・つかみ合いとにらみ合いはあった(殴る蹴るは無い)。
・スタジアムの外に水原サポーターが待ち構えていた(封鎖とは記載していない。また約半分の川崎サポーターはスタジアム外に退出できていると記載している)。
※実際には水原サポーターが待ち構えているためにスタジアム外に出ることを断念した川崎サポーターが多数いる。

AFCによる処分決定後に川崎サポーターに限らず、多くのサポーターからAFCへの不満が噴出しているが、実際のところ、上記のように、当事者の川崎フロンターレが水原の処分を求める発表を文章では行っていないということと、処分決定以前の記事の中でも処分を求めるコメントを明確には行っていないため、水原への処分追加によってサポーターの不満が解消される可能性は低いのではないかと推測できる。

川崎フロンターレの処分が当初より軽減されているため「交渉の経緯で処分軽減と引き換えに水原への処分を要求しないこととした」のか「当初から水原への処分を要求していなかった」のか、記者会見の発言どおりに「期限までに申し入れをしなかったので、期限後に提出した文章があっても表立っては水原の運営の落ち度を主張することすらできない」のかは謎になっている(また、なぜ「期限までに申し入れをしなかった」ことをサイトで発表していないのかも謎だ)。 ※一部を追記

果たして川崎フロンターレは、なぜ、このような発表をしたのか。その謎の解決の糸口を探していると、もう一つの謎にぶつかった。それは、Jリーグの村井チェアマンの考え方が、Japanese Only事件のときとは大きく変わっているという謎だ。Japanese Only事件のときに、村井チェアマンは差別表現の根拠として「差別的表現と認識している。発信者がどういう意図だったかより、 受け手が差別されたという認識を持ちうる表現で、外国人が見たときは不快な思いをする」と説明してた。ところが、今回は「今回の裁定が、旭日旗が政治的、差別的との根拠に基づくのであれば大変残念」と発言している。発言内容からは受け手の視点が外れており、考え方が170度くらい転換しているのだ。何が、村井チェマンの考え方を変えたのだろう。

過去、FIFAは政治的対立からは、極力、距離を置いてきた。国家対立のどちらかに肩入れすることを極力回避。むしろ、サッカーが政治や人種の壁を越えて世界平和に貢献することを目指していた(例えば、ノーベル平和センターとの「平和のための握手(Handshake for Peace)」運動の取り組み)。「政治主張の正当性」を判断するよりも「対立の原因となる主張の持ち込み」を排除し「安全な運営」を優先してきた。世界中のサッカー協会は、そのポリシーに沿って行動してきた。サッカーは「世界の言葉」とも呼ばれ、国籍を問わず、ボール一つで、どこででも楽しめる。世界で最も人気のあるスポーツとして存在し続けている理由の一つはここにある。

村井チェアマン心変わりの謎を解くヒントは記事の最後にあった。日本サッカー協会の田嶋幸三会長がコメントを出しているのだ。今後の対処について「スポーツ庁や文部科学省、外務省とも相談をして進めていきたい」との方針を示している。政治から距離を置いてきたサッカーに、日本サッカー協会は「スポーツ庁や文部科学省、外務省との相談」の結果を持ち込もうとしている。それゆえに、村井チェマンは考え方を変えたのではないだろうか(4月30日にもコメントしている)。そしてJリーグの考え方と足並みをそろえて川崎フロンターレは行動している。政府の考えを踏まえてAFCに意見する。それが本当にサッカーを楽しみ続けられる選択肢なのか?サポーターにとって幸せな未来は見えるのだろうか。

もう一度、川崎フロンターレ「代表取締役社長 藁科義弘コメント」を読んでみてほしい。水原への処分の要求を掲載していないだけではなく、川崎フロンターレの処分軽減の要求も具体的には掲載していない。川崎フロンターレ「代表取締役社長 藁科義弘コメント」が「宣言」しているのは「旭日旗に政治的又は差別的なメッセージは一切ないという認識の理解が得られるよう努力していきたいと思っている」ということだけだ。これは、横断幕や旗から日本国旗など少しでも問題の原因になりそうなモチーフを外して遠征に臨んだ川崎フロンターレサポーターには、あまりにひどい仕打ちだ。

旭日旗に対して様々な考えが存在する。しかし、その是非の結論をサッカーとサッカー場が導き出す必要はない。「サッカー場以外の場所でやってください」と言いたい。旭日旗の是非は別にして「観客の安心・安全の確保を脅かす原因」になったことは事実だ。逆の立場で考えれば、日本のサッカー場に従軍慰安婦の像を持ち込めば「観客の安心・安全の確保を脅かす原因」となることは容易に想像できる。サッカー場が安全であるためには、政治的な思想に関係なく「観客の安心・安全の確保を脅かす原因になりそうなもの」の持ち込みを禁止するルールでよいのではないのか。これは綺麗事ではない。サポーターには代表チームやクラブを守る戦いがある。しかし、それ以前にサッカーを守る戦いもある。サッカー場が広く多様性を受け入れて、誰もが楽しめる場所であり続けるためには、サッカーを守ることをサポーターが意識して意見を交わすべきだと思う。

石井和裕

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Jリーグ ルヴァンカップ2階の目線2017横浜1-0甲府

甲府駅から小瀬にまでタクシーに乗る。山梨県はJリーグがスタートする以前からサッカーが盛んな地域だった。年配の運転手はtotoで1等を当てたことがあるという。お子さんが高校サッカーで県選抜に選ばれたこともあり、小沼監督、木梨憲武らと交流があるという。
「甲府は、ちょっといい選手は、すぐに移籍しちゃうから。吉田監督になって、ずいぶんとチームは変わったみたいですよ。今日はルヴァンカップだから、誰が出てくるかわからないよ。」

右サイドが素晴らしかった。出場を重ねるごとに安定感を加える新井。常に対戦相手の逆を狙い仕掛けることを優先する吉尾海夏。お互いにオフザボールの動きが良いからパスコースがある。そして、新井のスルーパスがディフェンスラインの背後を狙う。人数をかけすぎなくても押し込める。左サイドも良い。遠藤はオフザボールで気の利いた動きができるため、周囲の選手のドリブルやパスを受けるスペースが生まれる。山中は後ろでも前でも野心的だ。山田は必ず伸びる。運動量がありパスを受ける位置が的確。受けてからも微妙にボールを置く位置を動かしながら、プレーの選択肢を増やす。低い位置で受けても、まずは縦へ仕掛ける気配を出してから横パスだから、対戦相手は気を抜けない。杉本はリスタートも良く、もうリーグ戦で起用できるレベルだし、パク・ジョンスは余計なこねるプレーがなくなった。扇原は捌くだけのプレーではなくなった。リーグ戦での起用があるからか、早めに交代。仲川の復帰は朗報だ。

「吉田監督、さすがだな。パスは回すが攻めてはこない。」
「吉田監督大好き。」
「思うんだけど、ウチ以外のチームは全部が吉田監督になればいいのに。そうすれば、ウチは、絶対に優勝できる。」
「吉田メソッドを全クラブが身につければ、しばらくはウチが勝ち続けられる。」

若いメンバーは、何も臆することなく、持ち味を発揮した。下平が復帰し、サイドの選手は溢れ気味なくらいだから、リーグ戦では誰をベンチに入れるか迷うだろう。昨シーズンがそうであったように、モンバエルツ監督はカップ戦での躍進をリーグ戦での選手起用に反映する。期待は大きい。アウェイゴール裏席の入りは、ホームゴール裏席の約2倍。スタジアム全体を見ても、総数で、やや甲府の応援が多いくらいという分布(甲府のサポーターが少なすぎて「失点のリアクション」が伝わってこなかったために、アウェイゴール裏席がゴールを確認するのに数秒間を要したほど)。たくさんのサポーターが甲府にまで足を運び、スタンドをトリコロールに染めた。

小瀬では9月のリーグ戦で再び対戦する。この試合に出場したメンバーのうち、何人が出場するだろうか。これからが面白くなってきた。また、甲府には行きたい。

<試合後のコメントはこちらをご覧ください。>

<様々な目線から捉えた試合>

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Jリーグ2階の目線2017 横浜0-1ガンバ大阪

ガンバ大阪の小気味よいパス回しとドリブル、それも見られたのはわずかな時間だけだった。トリコロールは伊藤翔をトップに起用する守備的な布陣でガンバの攻撃を凌いだ。ピンチは多かった。しかし、ガンバのセットプレーのキッカーが悶絶するくらいダメだったので失点は1に止めることができた。だが、ファールをしてでも止めなければならないシーンで誰も止めることができず、失点した。中澤は前に出ていたのだ。

広島戦は勝利したものの、浴びたシュート22本のダメージからトリコロールは回復していない。あの試合以来、モンバエルツ監督は守備的な布陣をとり続けている。原則としてウーゴ・ヴィエラとバブンスキーを併用しない。この試合でも伊藤翔に代わってウーゴ・ヴィエラを途中で投入したが、勝負を賭けたわけではなかった。すぐにバブンスキーを下げた。しかしながら失点しての敗戦。

この敗戦は重たい。最後の数分間はガンバ大阪が5バックで逃げ切りに転じたため、前にボールを運べた。スタンドは盛り上がり、押せ押せのような錯覚に陥った。でも、それは錯覚なのだ。結局のところ、トリコロールは、ほとんど何もできていない。ガンバ大阪は余裕を持ってトリコロールの攻撃を跳ね返した。序盤からサイドにはパスが回すことができたのは、ガンバ大阪の誘いに乗ったからだ。すぐに囲まれることの繰り返し。コンディションが悪そうな学はトラップミスを連発。それでも、モンバエルツ監督は使い続けるしかない。ただ時間だけが過ぎていったのだ。

若手は遠藤しか出場していない。十分な経験を持つ選手たちが、ピッチ上で考えてプレーする必要がある。全てを監督、学、天野に任せても解決策は生まれない。そしてサポーターも考えることだ。何が良くて何が良くないのか。そして、その意見を仲間と交わすこと。その先に、答えはある。

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<様々な目線から捉えた試合>

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