Jリーグ2階の目線2018 横浜1-2浦和

試合終了のホイッスルが鳴ると、スタジアムにはなんともいえない長い間が生れた。声を出す元気が起きなかった。残念だが、裏切られた気分すらあった。

10年ほど前には、あれほど盛んに行われた「最終ラインから前線への放り込み」が滅多に見られなくなったのは、世界的に対策が明確化し、得点のチャンスが生まれないということが共有されたからだ。アマチュアのサッカーならばともかく、ワールドカップに連続出場する国のトップリーグで、「最終ラインから前線への放り込み」で得点を挙げることは稀になっている。

ポジショナルサッカーで対戦相手の守備陣形を崩し翻弄してゴールを強奪するサッカーを目指したトリコロールと「最終ラインから前線への放り込み」は、全く相容れない。しかし、負けることを恐れた選手たちは、あのプレーを選択した。これは、まさに、勝つための手段を放棄したアマチュアのサッカーを選手は選択したといえる。同じビジョンを共有して、ここまで後押ししてきた関係者も落胆したことだろう。試合後の監督は怒っていた。

勝つべき試合だった。序盤、そして、同点に追いついてからはピッチ上を支配した。特に、同点に追いついてからはフィジカルコンタクトでも浦和を圧倒した。少しくらい無理目のコースのパスであっても、危険なゾーンへのパスであれば浦和の選手のバランスを崩して、通せる可能性は高かった。あの時間帯のチャレンジを続けて、パスを引き出す動きを続けていればトリコロールは勝利したはずだ。しかし、気がつけばサイドに逃げるパスが増え、手数が増えた。選手は勝つために全力を尽くすことが出来なかった。残留争いの最中であっても、楽なプレーを選択したのだ。「最終ラインから前線への放り込み」は突如起きたわけではなかった。

紙一重の差で降格は決まる。今は、たまたま得失点差でライバルを上回っているだけだ。全ての力を出し切らなければ、この厳しい戦いを勝ち抜くことはできない。浦和は、前半にプレーが止まった時間を利用して緊急ミーティング。マルティノスにボールを預けることがなくなりイージーなボールロストが減少。試合の流れを変えた。試合終了直前に遠藤をエキサイトさせ、その間に、最終ラインの選手たちと西川は守備方法の確認をすぐに始めてポジショニングの先手を打った。勝ち点を得るための姿勢に、明らかにさを感じた。

残留できるかどうかの差が出るのは、ここまでくれば、戦術でも監督の統率力でもない。

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Jリーグ ルヴァンカップ2階の目線2018横浜3-1ガンバ

アウェイゲームで大勝。スリリングな試合になるか、それとも余裕のある安心のゲーム運びを披露するか、期待と不安の合間の心境で日産スタジアムに足を運んだのは1万人以上。当日券が伸びた。このチームの行く末が、みんな気になるようだ。

立ち上がりから積極的にボールを奪い取り、ピッチを大きく使ってパス回し。休まない。ガンバは焦り、突っ込んでくる守備。それをいなす。パスを引き出す動き、パスコースを作るための運ぶドリブル、そしてコンパクトな守備陣形。余計な手間をかけすぎず、中央突破も再三狙う。これこそが、トリコロールの目指す姿。誰もサボらない。仲間への思いやりすらスタンドに伝わる。冷静に闘った。

先制、そして追加点。

「もうこれくらいにして帰ってやるをやりたい。」
「ファビオあたりを退場にしてリーグ戦にもダメージを与えたい。」
「あと、見たいのは宮本の退席だな。」
「それ見たい!」

過密日程で動きが落ちる前に早めの選手交代。思うように得点できないウーゴ。一度もゴールネットを揺らせていないユンユン。あのストライカーが、絶好のチャンスにシュートを置きにいき外す。
「どうしたんだウーゴ!」
ところが、終盤はスタンドとピッチ上が一体化したユンユン大応援大会。その雰囲気に飲まれたのか、それとも、これも仲間思いからか、ウーゴが絶好機にユンユンにパス。そしてノーゴール。ダメなのか!?と思ったが一瞬、追加点をゲットしたのは伊藤翔のショータイムシュートだった。
「やっぱ冷静だわ。」
「あのコースを狙ってくるとは・・・。」
「今の伊藤翔には全てが見えている。」

愛と信頼に満ちたホームスタジアムだった。この日の朝は「つちへんのおおさか」の歓喜に日本中が包まれたが、「こざとへんのおおさか」に勝利は遠かった。それでも、彼らもまた、試合後に愛を確認していた。

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Jリーグ2階の目線2018 横浜3-1柏

真夏の夕涼み着、入浴時の着衣だった浴衣は、いつの間にか高級な晴れ着の一種となった。それが、ユニクロなどの大手アパレルによる、自宅で洗濯できる安価な商品の市場投入で、一気に普及したのが近年。物の常識は時代とともに変化し、価値も変わっていく。

降格圏の入り口で踏みとどまっているもの、残留争いを強く意識しているトリコロールは未来を見据えた理想のサッカーよりも現実的な闘いを選択。サポーターもそれを受け入れ、目の前の対戦相手を叩いて勝ち点を確保することに全力を注いでいる。試合前は浴衣フェスで笑顔が溢れたスタンドも、試合開始のホイッスルが鳴れば、雰囲気が一変する。

山中がケガで早い時間にピッチを去る。そのポジションをカバーしたのは喜田。不慣れではあろうが、偽サイドバックを取り入れた戦術であったことが幸いし、闘志溢れるプレーで強力な柏攻撃陣を跳ね返す。松原以外は、開幕当初では考えられない顔ぶれとなった最終ラインは粘り強く闘い抜いた。前節に続いて、飯倉のプレーは安定し、まさに守護神の呼び名がふさわしい。

とはいえ、この試合の内容が良かったかといえば、それは別の評価だ。パスを回すシーンが長い。つまり、持たされている・・・いや、勝手に持ち続けて試合を難しくした。前半から、パクジョンスは、縦パスへのプレッシャーが弱く、簡単にボールを中央でキープすることが出来た。バイタルエリアに次の選手が走りこめば、前を向いて次のプレーをすることが出来たはずだ。だが勇気なく、そのようなプレーは数える程しかなかった。ボールは外へ、外へ。

この試合の決着を決定づけたポイントは、地味ながら、いくつか見える。一つはブマルが倒れたシーン。頭を打ったわけではない。ブマルは緊急で治療を受けたければ回転してでも外に出れば良い。主審もプレーを止めさせない。それは当然のことだ。しかし、ブーイングで雰囲気が変わり、トリコロールの選手たちはプレーしたくないというアピール。戸惑う柏。ボールが動かなくなる。その時間があまりに長く、柏がタッチにボールを出す決断。ついには主審はプレーを止める。

「なんというお人好しなんだ!」
「まさか、柏側から止めるとは!」

柏の選手たちには、まだ厳しい残留争い真っ只中の強い自覚はなかったのだろう。なお、ブマルは、すぐにプレーに復帰し、時間を稼ぐパス回しにも参加。

さらには、試合終了直後の柏サポーターから掲出された横断幕。そこにはルヴァンカップ獲得を望むメッセージが書かれていた。柏サポーターは、目の前のリーグ戦に集中できていなかった。3点目はGKが指示を出さなかったことで生まれた。さらには、なぜかバックパスをキャッチする珍プレーまで。

残留争いの勝負は紙一重だ。クレバーなプレーをしているとは言い難い大津だが、頑張りで平均を遥かに上回る貢献をした。再三にわたって、なぜか天野がパスを出そうとする方向とは逆のスペースにばかり走り出すブマルだが、サボらず献身的にプレーをし続けたおかげで2アシストの結果を残した。まずは全力でプレーし続けることの大切さを示してくれた。厳しさの足りなかった柏と、全力で残留のためにプレーし続けたトリコロール。その差は紙一重かもしれないが、勝ち点の差は3つ、いや、直接対決なので6に相当する差がついた。

順位はひっくり返った。柏レイソル・・・地獄へようこそ。

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Jリーグ2階の目線TV2018 横浜1-2清水

「なんでサイドからのクロスがバイタルに流し込むグラウンダー一本槍になっちゃうんだ。」
「前節に久保が決めたからなのか。」
「成功したら、こればっかりになっちゃうってのはどうなのよ。工夫しようよ。」
「久保にパスを出せば戻してくれるのだから、ひとまず預ければ良いのに・・・。」

全体的には仕掛けの多い試合だった。ほとんどの選手は90分間を動き続けた。これまで、決まり切った予定通りの交代しかしないと言われていた監督は攻めの采配を見せた。しかし、それが裏目に出てドゥシャンが退場。最終ラインを3枚から4枚に変えるとき、すでにカードをもらっていたデゥシャンをピッチに残した。なぜならデゥシャンが、このチームの柱なのだ。普通のシチュエーションであれば、デゥシャン退場で攻撃の枚数を減らしてディフェンダーを入れるだろう。しかし、監督は動かなかった。

「これは、何が何でも得点しに行くという決断だな。」

怒涛の攻撃が始まる。一人少ないことを感じさせない。清水の選手の両サイドバックの足が攣る激戦。むしろ、こちらの方が人数が多いかのように見える。だが得点できなかった。大切な一戦を落としてしまった。試合終了のホイッスルが鳴ると、静寂の時が流れる。

負けだ。しかし、10人になった時点で、誰が何を出来るのか、土壇場で何を考えられるのかが明らかになった。闘える選手と、怯える選手に別れた。それが分かったことは小さな収穫。この経験が、残留争い大詰めの選手起用に役立つことになるかもしれない。

そして、ドゥシャンとチアゴのセンターバックコンビに畠中と喜田を加えた守備陣はスタンドを沸かせた。強い。そして、前後の動きによる対戦相手との駆け引きに迫力。ドゥシャンとチアゴは、まるで全盛期の松田と中澤のコンビのようだった。日産スタジアムに、守備の面白さが帰ってきた。

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Jリーグ2階の目線2018 横浜0-1鹿島

肌に当たる風の冷たさを感じ、試合開始前に長袖を羽織る。2月に開幕したJリーグは、あっという間に終盤戦は突入していく。各クラブは、ワールドカップの中断期間を経て、戦術を熟成させ、補強戦力も加えて、戦い方をより研ぎ澄ませていく。サポーターは選手たちを信じ、そのプレーを後押ししていく・・・というのが普通のクラブの話だ。

トリコロールは、この夏、退化の一途をたどっている。選手たちを信じたいところだが、選手たちの何を信じればよいのかも分からなくなってきている。もちろん、選手たちは全力でプレーしている。手抜きの気配なんてどこにもない。そこに疑いの余地はない。だが、上手くいかないのだ。きっと理由がある。だから監督は手を打った。この鹿島戦の布陣は、とても解りにくい報じられ方をしたが、実は選手の動きを単純化する具体策だったように思える。鹿島神宮のある高台から駅に降りる坂道で試合の展望とシステムについて会話する。

「どんなやり方になるんだろうね。」
「そんなに難しいことではなくて、中央に人数をかけて守る。でも、攻めるときは両サイドが開いてよいよ、ということだと思うよ。」
「それならば、山中が攻守に、中に外に、頭を使って動く必要もなく、単純に攻めるときはやりたいように外に行けるのか、なるほど。」
「4バックのときも扇原が下がって3枚になってしまうことが多くて中が不足することがあるから、最終ラインを最初から3枚にしてわかりやすくしたのだと思うよ。」

試合が始まる。会話のとおり、最終ラインに3枚、山中と松原は両翼に開く。山田と天野がインサイドのポジションをとると、きれいに5レーンの布陣となる。これなら、ピッチ上の選手は悩むことなく単純にポジショナルなプレーを出来そうだ。

守備は安定してきた。ドゥシャンは力強く勝負する。チアゴは噂通りにスピードが速い。ラインの裏をとられても簡単に追いついてカバーできる。中盤で早めに囲い込む守備も、少しばかり復活した。監督の狙いは的中した。チームが退化を進める途中での収穫だ。

そこまでは守備の話だ。残念ながら攻撃には問題だらけだ。特にドゥシャンとチアゴには縦パスを入れようとする意図を感じるが、受けられる可能性がある動きをしているのは山田のみ(伊藤のマークがきついのは当然)。天野と大津は、そこにはいない。扇原が縦にパスを出したいシーンで前を向いても、受ける準備が出来ている選手が誰一人いないという場面も。それはそうだ、なにしろ、天野と大津は、そこに姿すらなかったのだ。布陣と矛盾する動きがありすぎる。結局のところ中央での縦パスが入らず、前半はサイドに逃げたサッカーとなり「中央からの攻撃5%」という前代未聞の数字が発表された。

選手は一所懸命にプレーしている。各自が工夫もしている。これは想像だが、それが裏目に出ていないか?
「扇原のところが詰まったら、天野は下がってサポートしてあげなさい。」
「大津は裏への抜け出しやサイドにも動いて伊藤翔へのマークを剥がしてあげなさい。」
監督のアドバイスを拡大解釈しすぎてはいないか?

天野は扇原の隣もしくは最終ラインの位置にまで下がって試合を組み立てることが多かった。右にいるときも左にいるときもある。まるで中村俊輔のようだ。大津は、どう考えてもパスがこないタイミングで裏に向けて何度もダッシュし、サイドでの数的優位も作った。自分なりに考えてのプレーだろう。だが、その結果、ドゥシャンとチアゴにはパスの選択肢がなくなった。

きちんと崩してチャンスを創ったのは数回。得点差は1であったが、見事な惨敗だった。選手を信じよう。ただし、それは選手の頑張りやクラブへの忠誠心に疑問を抱かないと言う意味だ。頑張っても、やり方に致命的な欠陥があれば、その頑張りは無になる。形無しのトリコロールは大海原でダッチロールを繰り返している。解決策に気づくのは選手か?監督か?それとも誰なのか?気づかずに時間だけが進んで行くことは、サポーターからの批判の対象となるだろう、たとえ選手を信じていても。

もうすぐ季節は秋。思い起こしてみれば、あの降格大ピンチのシーズンにブリット、ナザ、ドゥトラが助っ人として加わりJデビューしたのは2001年8月11日だった。あのとき、トリコロールは、すでに進むべき航路が見えていた。あなたには、航路は見えるか?灯台のあかりは見えるか?

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Jリーグ 2階の目線2018 横浜1-2名古屋

急増の3バック。監督が豪州代表でワールドカップ予選を勝ち抜いた布陣。中澤の負担は減っただろう。山中は好きなタッチライン際に立つことが出来ただろう。監督にとっては、困った時に立ち返る場所が3バックだったようだ。だが、選手たちにとっては初体験のやり方。どうすれば良いのか判らず、攻守にギクシャクした試合は残念な結末を迎えることになる。

残留争いのライバルに勝ち点3を献上。これまでは「降格圏に落ちるピンチ」を一部のサポーターは訴えてきた。ここからは「降格のピンチ」を嘆きながら応援する日々が始まる。

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Jリーグ2階の目線 横浜1-0湘南

「恐れることなく闘う」・・・これが、どれほど難しいかを痛感している。シーズン当初のような高いポジションに戻しコンパクトな陣形。山中、松原は偽サイドバックの役割を果たす。これを45分間、やり通しただけでも、この試合の価値はある。

しかし、全体に攻撃の手数は足りず、仲川にスペースに走ってもらいクロスを入れるだけという単調な攻撃の決定機が何度か。献身的に働きつづけた天野がシュートと見せかけて入れたクロスをウーゴが叩きこんで先制点。ここから、トリコロールは、恐れることなく闘い、何度かのチャンスを創り出した。素晴らしい時間が流れる。特に、扇原の進歩、ブマルの頑張りとクロスの軌道、流血大魔王・松原の働きに心踊る。

走り負けたわけではない。だが、序盤からの徹底した中澤狙いがジワジワと効いて、いつの間にか裏を突かれるのを恐れるサッカーが舞い戻ってくる。ディフェンスラインは撤退し押し込まれる。カウンターの距離が伸びる。人数が足りない。そこからは粘りのサッカー。選手交代で前からの強度を維持して、なんとか陣地を挽回して逃げ切りを図る。前に、後ろにパス回し。出来るだけ、湘南の選手が勢いよく突っ込んでくる中澤のところを飛ばして、余裕を維持する。

勝った。試合終了のホイッスルと同時にスタンドが絶叫する。多くの選手はプレーを改善した。そして立ち返る場所は昨シーズンまでのサッカーではなく、もちろん、モンバエルツ監督就任以前のサッカーでもなく、今シーズン開幕当初のサッカーであることも確認できた。あとは「恐れることなく闘う」こと。強い気持ちを表現できた時間帯のサッカーならば通用する。残留争いに沈んでいくサッカーではない。

トリコロールのサッカーに誇りを取り戻すきっかけになるかもしれない一戦だった。次は名古屋との直接対決。恐れることなく闘え、トリコロール選手たち。

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Jリーグ2階の目線 横浜0-2川崎

これまでにも、酷い試合は何度もあった。それでもゴール裏のコアゾーンからはブーイングは起きなかった。この夜、選手たちが試合後にゴール裏スタンド前にやってくると、大きなブーイングが起きた。選手の後に、ポステコグルー監督もゴール裏スタンド前にやって来た。

ワールドカップの中断を経て、仙台戦で得た勝ち点と得失点差と引き換えに、私たちは多くのものを失った。得失点差もマイナスとなった。選手たちのピッチ上での選択肢を、このチームのプレー原則からに戻すためにだろう、監督は左サイドバックにイッペイを起用した。前後左右にポジションを動かしてパスコースを生み出し、ドリブルでの挑戦も織り交ぜる。型があり、時にそれを崩す。イッペイは、その役割を果たした。

王者川崎は富士通ゼネラルの様なサッカーだった。省エネ大賞を受賞できそうだ。では選手がサボっているかというと、その様なことはない。適切なポジションをとるために、ボールの位置に合わせて選手が自分で動いているからパスコースが生まれ無理なくパスを通している。トリコロールとの対比は鮮やかだった。

追い込まれると、人は「あとは気持ち」と簡単に言う。だが、今、必要とされている「気持ち」は「闘争心」よりも「考える」気持ちではないか。後半に左サイドは「闘争心」を見せた。少しばかり派手に攻めた。だが、このチームのプレー原則を無視したプレーからでは、最後には無理めのクロスを入れるにしか至らない。シーズン当初には感じられた型がピッチ上にないからだ。

実に腹立たしい試合だった。理由は負けたからではない。相手は王者だ。簡単に勝てる相手ではない。結果よりも選手の取り組み方への嘆きが大きい。そして、その穴埋めに奔走させられる選手がいる。「勇猛果敢」とは何なのか?

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Jリーグ2階の目線2018 横浜2-5東京

最初のゴールキックだった。なぜか飯倉は左足で緩い山なりのボールを右サイドに蹴った。そのサイドにいる田邊や太田の心中は穏やかではなかっただろう。そして、序盤のフリーキック。右足で東が蹴るであろう、または太田は枠に蹴ってこれないだろうと考えてポジションをとり、先に左に動いた飯倉をあざ笑うかのように、太田はフリーキックをねじ込んできた。元日本代表の意地を感じる一撃だった。

ガスのコンパクトな守備陣系を恐れて、外でパスを回すトリコロール。数年前のサッカーのようだった。やり方が分からなくなったならば、0−2で凌ぎ、ハーフタイムに立て直す方法もある。ならば、堂々と、しっかりと前でパスを回して時間を作れば良い。だが、ピッチ上では自らの怖れを表現する後ろへのパス。その心理を突かれた3失点目で、この試合は決まった。前半で0-3。

後半から登場した選手の頑張りもあって2得点。そうだ、安定した得点力はある。残留争いに重要な得失点差は、この2得点によりプラス2。そこで踏みとどまれたのは、大きな収穫だと思う。そう思わなければ、平常心を保てない・・・そんな蒸し暑い日曜日の夜だった。

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天皇杯2階の目線2018 横浜2-1横浜FC

1998年10月29日に横浜フリューゲルスと横浜マリノスの合併記者会見が行われ、そのシーズンの終了をもって横浜フリューゲルスは消滅した。今年は、あれから、ちょうど20年。当然のことながら、横浜フリューゲルスは、この世には無く、例えば、イタリアのフィオレンティーナのような復活もしていない。

人々は、フリューゲルス復活を夢見たサポーターの物語を記憶に残す。辻野臣保さんが代表発起人になり、立ち上げられた「横浜フリューゲルス再建協議会」は、全日空スポーツからフリューゲルスを譲り受け、Jリーグが理念に基づく、本当の意味の市民クラブを設立することを目的としたが、凄まじい内部抗争を経て、その夢は途中で霧散した。辻野臣保さんはサッカー界から去り、横浜マリノスサポーターを含む広い層から4,000万円以上を集めた「フリューゲルス再建基金」はチーム再建に使われることはなかった。横浜FCは紆余曲折を経て、現在は、給食サービスを主たる事業とする企業のクラブとなっている。

人々は忘れているが、横浜マリノスも、この年に大きな痛手を負った。合併を認める者と認めない者は対立した。認めないサポーターはクラブを去った。フリューゲルスから移籍してきたスタッフの中には、契約を巡って訴訟騒ぎまで起こすに至った者もいる。横浜マリノスはチーム名に「F」という古傷を残して、横浜F・マリノスとして、今もJ1を闘っている。

共に20年前を区切りとして同時にスタートを切った両クラブが、久々に対戦した。トリコロールは美しかった。ウーゴヴィエラが同点ゴールを決めた直後に、各所から沸き起こったウーゴヴィエラコールは、この20年間の応援の集大成と言って良いほどの旋律を奏でた。メインスタンドだけでも、何か所からもコールが沸き起こり、最終的にはゴール裏を中心に全方位一体。誰もが自然に美しさと力強さを表現する個の集合体が出来上がった。

横浜FCのサポーターは試合前の黙祷を無視して応援パフォーマンスを続けたいサポーターと黙祷すべきだというサポーターの間で意見が衝突した。この20年間は長かった。そして、誰が見ても明らかな大きな差がついた。象徴的な出来事だった。

試合については、延長戦の末、勝利した。

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