2014年 Jリーグ2階の目線 横浜0-1鹿島(鹿島)

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試合開始から、鹿島に終始、攻立てられた。たまにはボールを保持するが、サイドにパスは逃げるだけ。シュートコースすら創れない。90分間でのシュートは無く、アディショナルタイムに1本。最少得点さとは思えない、重くのしかかる惨敗。涙をこらえるのが精一杯。幸いだったのは、観客数が少なく、この恥ずかしい試合を目撃した人が少なかったこと。そして、帰りの道が空いていて23時前後には東京駅にバスが到着したことくらいだ。

無理を続ける学は途中交代。他にも怪我上がりの選手たちがピッチ上にいる。中村大先生、三門、藤本。この中には、ピッチ上ではチカラを発揮できないコンディションの選手が含まれる。ラフィーニャについては、まるでプレーできない。プレーというよりも全力で走ることすら出来ない。だから中澤は何度もオーバーラップをしたのだろう。攻撃的ポジションの選手たちの運動量の少なさをカバーするために、コンディションが良いという情報の奈良輪を起用。まさに足し算・引き算の起用。「縦へ突っ込め」という監督の奈良輪への期待。だが、悔やむべきは、最初のプレーで、なんということもない間合いだったのにも関わらず奈良輪は余裕なく縦にボールを蹴り込んでしまう。この瞬間、鹿島のブラジル人選手に奈良輪は舐められた。対等に闘うまでに60分を要することになる。起用は裏目に出た。奈良輪に無理を求めすぎたのだ。そして、動けない、仕掛けられない選手だけがピッチ上に存在した。中村大先生が低いポジションに移行すれば、富澤と三門の二人では中盤の荷が重い。伊藤翔のワントップも孤立無援に。ベースが狂えば全てが狂う。

数字上は優勝は不可能ではない。選手たちは「上を目指す」と発言している。キックオフマリノスには「タイトルを穫る」という色紙が飾られている。しかし、日立台での敗戦で、実質的には無冠が決定している。もしタイトルを穫りたければ一つも負けない試合を続けるしか無いのだ。それこそ日立台のような試合だ。監督は、怪我上がりの選手を起用する。冒険せずに名前のある選手を選ぶ。勝ちたい心意気は美しいかもしれない。しかし、現実と夢の間には、大きな溝がある。残酷な溝だ。この2試合で、監督采配は、選手たちのモチベーションとはシンクロしていない。

試合前にバックスタンドの上に見事な虹が現れた。だが、魔法はかからなかった。願いは叶わない。虹の彼方には何も無かったのだ。樋口監督が元日の夢から覚めると案山子もブリキもライオンも、一緒に闘ったことなど現実にはありえない幻のように。

この試合で最も哀しかったのは、目の前の席のカップルの男性がPKストップまでパズドラを遊んでいたことだ。目の前の試合は彼にとって興味の対象外だった。それほど魅力に欠けるものだったのだ。

みんなの採点

榎本 哲也 6
PKストップ。しかしミスも多い。

栗原 勇蔵 5.5
やられた場面は無い。

中澤 佑二 5.5
再三のオーバーラップ。怒りを感じる。

下平 匠 5
肉弾戦では持ち味を発揮できず。

奈良輪 雄太 4.5
クロスをミスし直後にPK献上。

中村 俊輔 5.5
判断力が鈍く攻撃のブレーキに。

齋藤 学 5
強行出場が続きドリブル突破無し。

藤本 淳吾 4.5
何かに怯えているようだった。

三門 雄大 5
仕掛けなく大人しく守備。

富澤 清太郎 5
攻めに迫力無く無難すぎる。

伊藤 翔 4
孤立無援。一人で打開できるタイプではない。

小椋 祥平 5.5
活動範囲の広さを見せつけた。

兵藤 慎剛 5.5
この人の運動量が最初からほしかった。

ラフィーニャ 5.5
フィジカルコンタクトを避けてプレー。加速装置作動できず。

樋口 靖洋 4
先発候補は怪我をしていても名で選ぶ。