Jリーグ2階の目線2015 横浜1-2広島

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「俺には、今、比嘉さんしか見えない。」
「視野が狭くなっているんじゃないか?」
「これが恋なのかもしれない・・・。」
そんな浮かれた気分で始まった試合。試合開始早々に、またしても中央突破の美しいゴールが決まり、暗転演出からテンションの高かったスタンドは更に熱を帯び、手拍子は天井にこだました。

しかし、終わってみれば、スタジアム全体が重苦しい雰囲気。ファーストステージはテストだろうという割り切りがあったとしても、この敗戦は重たい。
「そっちじゃねーよ!」
「前にパスしろよ!」
もう中堅のキャリアである比嘉さんは、試合前に「チャンスを活かせるように頑張りたい!」と語っていたが、大きく期待を裏切った。比嘉さんに期待したのは、高いスキルでも華麗な見せ場でもない。ただただチャレンジだった。だが、繰り返されるパスの大半は横か後ろ。
「チャレンジしないサイドバックでいいなら、起用するのは比嘉さんじゃなくてもいいんだよ。」
比嘉さんが、唯一、ドリブルでボールを前に運んだのは、こんなきっかけだった。
「あっ、トラップミス!」
「ボールが前に行った!」
「もう、そのまま行け!行け!」

比嘉さんに気を取られていたのは、スタンドだけではない。ピッチ上の選手たちも同様だった。兵藤は疲弊。アデミウソンまでがカバーに走った。こんな試合は見たくない。