「ため息をつかないで?」 マリーシア感情的サポ論

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ガンバ大阪サポーター連合応援サイトに掲載された「弾けろ!ノースフェイス」が話題になっている。

選手の後押しになるポジティブな応援をしていきたいというガンバサポーターの想いが伝わる内容だ。遠藤が『応援』について語ってくれたというのだ。

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具体的にいうと、シュートを撃ちました。外れました。その時日本人は「ア~」とか「ア~ア」といった残念感タップリの声が漏れる。その声がピッチではすごく聞こえるらしくテンションが下がると。野次とかは全然平気だと。

一方海外では「ウーッ」という声が腹の底から出てくる。その声がスタジアムの中に響き渡るので、テンションが上がるしカッコイイと。

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「だから『ウーッ』を意図、意識してやってみませんか?」というメッセージになっている。それは、良い取り組みだと思う。ただ、この話が拡散していくについれて、ちょっと困った風潮も出てきている。それは、「ため息や『ア〜』は嫌いだ。やめよう。」という声だ。

欧州のスタジアムでは「ため息や『ア〜』」が本当にないのだろうか。ガンバ大阪サポーター連合応援サイトを読むと、遠藤は、そのようなことは言っていない。自身が「カッコイイと感じる」「テンションが上がる」と言っているに過ぎないのだ。では欧州と日本で何が違うのか?大きく3つがあると思う。

1 ため息や落胆に相当する音が違う。
日本語では「ア〜」、欧州の言語では「オ〜」であるに過ぎないという見方だ。

2 声の大きさが違う。
遠藤が「声が腹の底から出てくる」と言っているように、欧州のサポーターの声は大きい。ゴール裏席でなくても、何も躊躇せずに大声を出す。私自身も、以前に欧州チャンピオンズリーグをバックスタンドで観戦した際に、隣の席のご婦人が、高級そうな毛皮のコートとジュエリーを身につけて、大き腕を振り上げて、いちいちプレーに対して絶叫するものだから、驚いたという経験がある。

3 日本の観客は静かで行儀が良い。
欧州の観客は、じっとしていない。黙って観戦する人は、おそらく少数派だ。この動画を見ていただきたい。ドルトムントのサポーターを追ったドキュメンタリー動画だ。

ため息に似た落胆の声はドイツでも日本と同様に起きている。そこで黙ってしまえばスタジアムは「ため息に包まれる」という描写になる。ところが、その直後に声援やブーイング、隣の観戦仲間との会話、野次。とにかく次のアクションに移る。忙しい。だから、落胆の余韻がないのだ。

こちらの動画の場合は、失点後は落胆の声に包まれる。しかし、その後は指笛によるブーイングが発生し、続いて応援コールが起きる。

つまり、ピッチ上のプレーに合わせて素直に反応することによって生じるスタジアムの呼吸を止めてまで無理に「ため息や『ア〜』」を止める必要はないのだ。

あまりにそれを意識すると、こうなりかねない。

スタジアムでは素直になって、制御のバーを外し、ワイワイ騒いで楽しもうじゃないか。