サッカーと愛国 マリーシア感情的サポ論

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横浜F・マリノスサポーターとして長く活動をしてきた清義明さんが「サッカーと愛国」という書籍を出版した。帯には「気鋭のノンフィクション作家・デビュー作!」という文字が躍っている。それよりも、重要なのは「スタジアムには日本人が知らない世界基準がある!」というキャッチコピーだ。そして、スタジアムに通う私たちは、一般的な日本人よりも、少しばかり世界基準を知っているに違いない。

この書籍を、横浜F・マリノスサポーターには、ぜひ手に取ってほしい(購入するかは手に取って決めてほしい)。なぜならば、私たちは「バナナ事件」の当事者だからだ。事件直後に、当サイトではJリーグサポーターの差別意識についてアンケート調査を実施した。その調査結果は幾つかのメディアで取り上げられ、村井チェアマンの講演の中でも、記載内容の一部が取り入れられている。

今回、紹介する書籍の中で、このアンケート調査の結果が引用されている。また、元横浜F・マリノスサポーター(スタジアム入場禁止処分が下されているため)の「しなり」によるソウルでの旭日旗事件についても、この書籍では触れられている。

サッカースタジアムにおける差別事件が度々報じられている。しかし、差別は日本のいたるところに存在する。日常的に行われている差別は事件として表面化しないことがほとんどだ。では、なぜ、サッカースタジアムにおける差別事件が度々報じられているのか。それはスタジアムに通う私たち(サポーターだけではなくクラブ関係者やリーグ運営の中心人物まで)が、一般的な日本人よりも、少しばかり世界基準を知っているから、勇気を持って差別を告発しているからに他ならない。

その自信を、この書籍で再確認してほしい。サッカーは世界の言葉であり、サポーターは国境を超えるのだ。

石井和裕