オウンゴールした中山雄太の評価が高まっている。 マリーシア感情的サポ論


2016年8月6日に行われた横浜×柏で柏レイソルの中山雄太はヘディングで1得点、右足で1得点(ただしオウンゴール)の大活躍。評価がぐんぐんと高まっている。特に、横浜サポーターからの評価が高い。

横浜サポーターほどオウンゴールを高く評価するサポーターは、世界広しといえども存在しないだろう。これは、横浜サポーターの間で長年、共有され続けてきた価値基準なのだ。「美しいオウンゴールを決める選手はセンターバックとして大成する」「美しいオーウンゴールをマークしてこそトリコロールのセンターバックとして認められる」という伝統をも生み出した。

まず、3分50秒からの美しいゴールを見てほしい。

この惚れ惚れするようなダイビングヘッドはJリーグ史上初のオウンゴール。ただのオウンゴールではない。21世紀となっても「Jで最も美しいオウンゴール」として語り継がれている。決めたのは90年代のレジェンドであり、日本代表がワールドカップ初出場をしたときの主将・井原正巳。現在はアビスパ福岡の監督を務める。彼は、「Jで最も美しいオウンゴール」を生み出しただけれはなく、最も多くのオウンゴールを決めた選手でもある。

そして、もう一人紹介するのは小村徳男。横浜×柏のテレビ解説を務めた。1996年にディフェンダーながらハットトリックを達成した。さらに、失点も彼のオウンゴールだったために、一人でこの試合の全ゴールを叩き出している「記憶に残る元日本代表選手」だ。

横浜サポーターはすべてのオウンゴールを賞賛するわけではない。

オウンゴールには美が必要だ。では、オウンゴールの美とは何か。それは、困難な体勢であっても身を投げ出してクロスをクリアしようとするギリギリのプレーから生まれる美しさだ。つまり、どのような状況でもゴールを守りきろうとする責任感と、必要なポジションにいる試合の流れを読む力がなければ美しいオウンゴールは生まれない。

伝統的に守備が固く、さりげない守備のポジションニングだけにでも拍手が湧き上がる横浜サポーターだからこそ見つけ出すことができた、好選手発掘の価値基準。それが美しいオウンゴールなのだ。

石井和裕

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