Jリーグ ルヴァンカップ2階の目線2016 横浜1-2大宮


ノックアウトステージ準々決勝の第1戦。アウェイ。苦手の大宮。すでにリーグ戦は、すべてを勝つ勢いで最終節を迎えたときに上位が総崩れになっていれば運良く優勝があるかもれないという星勘定。タイトル獲得のためには、このリーグカップ狙いが第一照準となる。ところが、結果的には、モンバエルツ監督は、リーグ戦の1試合と同じように、この試合を闘った。通常であればアウェイでの第1戦を1-2で落としても、アウェイゴールを獲得できているので、ほぼ横並びの折り返し地点。第2戦を1-0で勝てば勝ち抜けるという展望が開ける。しかし、どうやら、そのような希望は持たないほうが良い。堅守は過去の話だ。

強風の風下というハンディはある。それにしても、まったく歯が立たない前半。ボールを奪う位置が定まらず、奪ったボールを預ける先も決まらない。リーグ戦と同様に大宮の素早いプレッシングに戸惑い、ミスを連発する。中央にいる学にはパスが入らない。そもそもボールを触る回数が少ない。ボールを奪ってもサイドに逃げる。チャレンジがない。全体にビビっているのがわかる。気の弱い前田は、この雰囲気にのまれたのか、更に動きが硬く、ボールをもらおうとする動きがないからパスが来ない。マルティノスもキレがなく仕掛けが少ない。

「リーグ戦のときと違って、今日は涼しいからな。」
「大宮の動きが後半も落ちないかもしれないな。」

0-3で終わってもおかしくなかった前半。チャンスは一度だけ。得点の気配がないどころか、敵陣に攻め込むことすらままならない。覇気の感じられないピッチ上のプレーを見たカイケは、後半から出場する気で満々だ。ハーフタイムにはビブスを外してユニフォーム姿で練習。ベンチにアピールする。

「後半から、前田とマルちゃんを2枚替えで交代でもしないと後半の立ち上がりが不安だよ。」
「でも、ファビオの怪我で1枚交代カードを切ってしまったから、さすがに2枚替えは無理だよ。」

後半が始まる。ピッチ上は前半と比べて仕掛けようという意志を感じる。ベンチの脇ではビブスを身につけないカイケがウォーミングアップのピッチを上げている。前半は何もやっていなかったに等しい前田は後半の立ち上がりも消極的。マルティノスは仕掛けるが突破に至らない。カイケは投入されると、まるで闘将のごとく大きな身振りで選手の奮起を促す。こんなカイケは見たことがない。しかしゴールは遠い。この苦しい展開を救ったのは両サイドバックだった。小林が鋭いクロスをねじ込み、逆サイドに詰めていた金井がゴールに叩き込む。
「なぜ、そこまで上がってたんだ!金井!!」
「よく決めた!!」

オープンな展開でボールがピッチを行き来するようになる。といっても、圧倒的に攻撃のクオリティは大宮の方が高いため。再三の失点ピンチに肝を冷やす。凌ぐ。だが、こちらも攻撃の手を緩めるわけにはいかない。引けば守りきれないだろう。逃げ切る意味でも、前に重心を残してボールを自陣ゴールから遠ざけておく必要がある。カードをもらっている金井、喜田を下げる必要があるかもしれない。それに、試合トータルで見れば出来が良くなくリスキーなプレーをしてしまう可能性があるマルティノスも交代候補だ。

残り時間わずか。

「誰か出てきた。」
「誰だあれは?」
「新井?え?新井をどこに入れるの?」

ピッチ上の選手たちも疑問に思っただろう。プレーが切れないために、しばらくタッチライン脇に立ち続ける新井。修羅場経験の少ない新井で、ここまで多数のピンチにさらされる試合をクローズできるのか。目の前に新井を見たマルティノスは自分が下げられるのではないかと感じたかもしれない。小林とマルティノスが無理をした。ともに許されるプレーではない。愚かなプレーだ。だが、信じられないような愚かなプレーを引き起こす環境をモンバエルツ監督が生み出してしまったとも言えるだろう。
「まさか、遠藤がいなくても遠藤枠が生きているとは・・・。」
あの失点と、新井がタッチライン脇に立ったこと、この2つが同時に起きたことを偶然とは思いにくい。

失点により新井の起用は見送り。仲川が投入されるが試合終了。痛い敗戦となった。

「いやー勿体無いことをした。」
「普通ならばアウェイゴールで1-2はOKなのだけれど、ちょっと今のウチで1-0で勝てば良いとは言いにくい。」
「何かあれば1失点は起きる。その覚悟はして試合に臨まないとダメだ。」
「となると2得点だと2-1で延長戦になってしまう。3-0で勝つくらいのつもりがないと守りに入ってはダメだ。」
「ウチの選手は、みんなおとなしいからなー。誰かが闘志に火をつけてくれればいいのだけれど、またフワッとはいるとやられるぜ。」
「誰かがリーダーとして引っ張ってくれないと。」
「今日のカイケは、相当気合が入っていたね。でもリーダーにはなれない。」
「もし、試合の入りが悪かったら松永コーチがベンチで暴れるしかないな。ベンチを壊すくらいの暴れっぷりで選手の闘志に火をつけないと。」
「いや、でも、ウチの選手だと、それを見たらどん引きするんじゃないか?」
「まぁまぁまぁ、松永さん落ち着いて、とか言って冷静になだめそう。」
「今日みたいなビビったプレーじゃダメなのだから、誰か、なんとかしてくれよ。」
「気を引き締めて応援に行くしかないな。」

難しい日曜日になりそうだ。でも単純に考えよう。気迫で負けない。まずはそこからスタートだ。

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