Jリーグ2階の目線2016 横浜3-1新潟


「行け!前田!!!」
「行け!!シュートだ!!」
「シュート狙え!!」
「きめろーーーーーーーーーー!!!!」

歓声は屋根にこだまし怒号のように響く。右サイドで天野からのパスを受けた前田は小さなフェイントを入れて中に切れ込む。そしてシュート。それはそれは美しい弧を描いてボールはゴールマウスに吸い込まれていくのが見える。その軌道が見えたとき、ゴールを確信し飛び上がる。そして、空中で拳を振り上げたとき、ゴールネットが揺れた。

「前田!!!!!!!!」
「決めたぞーーーー!!!!」

遂に決めた。前田が決めた、まるでスローモーションのように。前節での活躍で、前田にゴールの予感はあった。しかし、1点差に迫られた大切な場面で、ここまで鮮やかに決めてくれるとは期待以上だ。待っていた。このゴールを待っていた。迷いがなくなれば、前田の持ち味は生きる。スタンドの雰囲気は最高潮に。我々は、まだリーグ優勝の権利を持っている。そして、前田が救世主となって、これから上位との直接対決に入る。

エース学が先発落ち。メンバーが足りない。ユースの選手までがベンチ入りしている。だが、それをピンチに感じない。大宮戦、仙台戦を通じて描き始めた上昇機運(途中の福島戦のことは忘れよう)。さらには、中村大先生のベンチ入り復帰。スタンドのムードもとても良い。

「緑かよ!」

ミッドウィークに、久々の読売戦を控え、緑に過剰に反応する。オレンジに青を加えた新潟のユニフォームはトリコロールと色の重複があるために、今日のユニフォームは緑。闘志に火がつく。しかしながら、ピッチ上ではゆったりとしたサッカーが続く。新潟からは残留争いのピリピリ感が伝わってこない。これは監督の性格の反映か。なぜかよく解らないセンターバックの連携ミスから兵藤が芸術的なボール扱いで抜け出して先制。前半のうちにリードを得る。難しいシュートを榎本が防いでくれたことは大きかった。

三ツ沢での大宮戦で栗原のプレーには大きな変化があった。前線に大きく蹴り出すことが少なくなった。そして、後ろで待ち構えるだけではなく、前に仕掛けてボールを奪い取ることも。これまでの、どっしりと力強く、そして空中戦で金を取れる選手に加えて、縦への強さが加わった。そんなシン・ユウゾウが前に出た。ペナルティエリアの近くまで走り込んでボールを奪取。上手くボールをコントロールしてゴール前に突進すると見せかけて、右サイドのポジションでフリーになっていた中町に左足でパス。待ち構えていた中町は、足を止めて振り抜き、美しく地を這うように放たれたシュートは逆サイドのネットを揺らす。

「すげーーーー!!!」
「決まった!!」
「中町だ!!!」
「なぜ、いるんだ!!」
「納得いかないけどすげ〜!!!」

後半開始2分で得点差を2に広げる。この理由なき得点力の発揮で、なぜか勝利に貢献する中町。ゴールしてもスタンドに向かってスプリントすることはない。その場でドヤ顔が中町品質。

その後、1点を奪われるものの、終始主導権を離さない。パクジョンスは、新人ながら、チームメイトから絶大な信頼を得てボールを集める。安易に倒れたままだったのでシュートを撃てず得点を1つ損したが、マルティノスは全体にヤルキノスだった。前田は天野との相性が良いようだ。中村大先制を温存したままで逃げ切りを図る。

前田はよく走った。あの見事な3点目のゴール。全ての力を使い果たすほどの渾身のシュートだった。得点後、右サイドでパスを繋ぐ。前田は動けない。目の前をボールが通過するが直立不動のまま見送る。

「あー、前田が燃え尽きた。」
「もう、燃えかすになっている。」
「もう、お疲れ様だ、前田。」

新潟の攻撃を凌ぐ。学がボールを持ってドリブルで前進する。右サイドを見る。

「あー誰もいない。」
「前田がいない!どこにいる?」
「前田が後ろの方にいた!」

みんな、前田のゴールに気を良くしている。走れない前田。でも、もう十分だ。前田には、試合中の今からでも「ありがとう」と言いたい。

試合終了のホイッスルが鳴る。勝てなかった日産スタジアムでの勝利。しかも3得点。3点以上を奪っての勝利は3節の神戸戦以来、約2か月ぶりのことなのだそうだ。スタンドが盛り上がるわけだ。そして、トリコロールに勝負強さが備わってきた。猛暑の中で交代枠を残すなど、納得のいかないところもある。だが、選手の頑張りには頭が下がる。

リーグ戦の次節は、あの川崎戦だ。年間勝ち点1位から、川崎を引きづり落とすチャンス。あの最終節の配線の屈辱を晴らすには、次節での圧勝が必要だ。圧勝、そして連勝。川崎を絶望の底に沈めセカンドステージを制覇してこそ、はじめて、あの屈辱を晴らすことができるのだ。やっと私たちにチャンスが巡ってきた。

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<様々な目線から捉えた試合>

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