第96回天皇杯2階の目線2016 横浜1-0新潟


「終わってくれ!」
「決めてくれ!」
93分に得たフリーキックを天野がセットする。左足で蹴ったボールは山なりの弧を描くことなくゴールに飛び込みゴールネットが揺れる。
「きた!!!」
「決めた!」
「天野!!」
「やった!」
「やった!!!」
窮屈な一階席が騒然として揺れる。
「終われ!」
「もう終わりだ!」
「終わりにしろ!」
新潟がキックオフによるリスタート。そして、直後に試合終了のホイッスル。勝った。土壇場で私たちは勝利した。残されたタイトルは、この天皇杯のみ。怪我人が多いメンバー。さらには、おそらくは移籍交渉が進んでいるがために出場機会を奪われているファビオ。相手は残留争いをしていた新潟とはいえ、こちらも下位。まさに、下位クラブ同士のスコアが動かない闘いとなった。

93分間のことは書く気になれない。圧倒された前半。鈴木武蔵がシュートの放ち枠を外す。普通のクラブのストライカーがいたら0-4で負けていてもおかしくない。そんな展開だが完封勝ち。攻撃はサイドに逃げた。積極性に欠けた。新潟の、さして強くないプレッシャーにミスを連発した。
「前田ってさぁ、読売出身っぽくないよね。」
「技術に緻密さが欠けるというか・・・。」
「読売文化センター出身なんじゃないか?」
まだ、冗談を言う余裕は客席にあった。しかし、パク・ジョンスがヒールパスをしてボールを奪われるなど、凍り付く場面も。

土俵際でうっちゃって勝てた。そしてトリコロールの中盤を背負って立たなければならない天野が、難しい場面でゴールを決めたことはプラスと捉えたい。酷い試合だったとはいえ、なんとか一歩前に進むことはできている。

「次の試合会場はどこだろう?」
「吹田で決勝戦だから、吹田は無いとおもんだ。」
「もしかして、また長崎?」
「みんな長崎に飛ばされると思うと嫌かもしれないけれど『クリスマスイブに長崎』って聞くと、ちょっといいでしょ。」
「うわぁ、かなり魅力的。ロマンチック。」
「物は考えようよ。」

次の決戦はクリスマスイブ。まだ時間はある。契約交渉の騒動も収まっているだろう。怪我人も戻ってくる。この苦しみを大きな喜びに変えるときがくる。勝とう。タイトルを獲ろう。再び、小林祐三の崩しから元日に頂点へ立とう。

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<様々な目線から捉えた試合>

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