Jリーグ2階の目線2017 横浜1-0鳥栖


3試合連続の完封勝利。素晴らしい試合・・・というよりも凄みのあった試合だった。松原と山中の勇気。鳥栖の攻撃を止めるというよりも、攻撃を断ち切るといった表現の方がふさわしい。激しさは驚きに、そして感動に通ずる。

学が山中の前のスペースにパスを出す。ドリブルで仕掛ける山中。中にコースをとる。その外側を猛然と駆け抜け、学が山中を追い越す。鳥栖のディフェンダーが学へのパスに警戒して、ほんの少しだけ身体を外に動かした瞬間に、その内側を山中の地を這うシュートが襲う。権田が精一杯のセービングで弾いたボールを、全速力で詰めていたウーゴが押し込む。あまりに見事な攻撃に、もう、勝利を確信する。先制すれば負けなしだ。

マリーシアの中では「身体能力の低い黒人選手」という噂で期待が大きかった元コロンビア代表のイバルボ。この試合の注目選手だ。大柄。イタリア南部のカリアリでプレー。飛んだり跳ねたり身体のバネを生かした躍動感あるプレーを見せてくれるだろうと期待が膨らむが、スピード感に欠け、パワーも感じない。そして、ハイボールに跳ばない。フェアにジャンプするトリコロールの選手の身体を下からさらってファールをとられる。
「なんだよ、良い加減にしろよ。」
また、跳ばない。下から身体をさらわれると空中でバランスを崩し頭から地上に落ちるかもしれない。危険な反則だ。
「跳べよ。」
「なんで、あいつは跳ばないんだよ。」
「跳ばない奴はサガン鳥栖なんだよ。」
「じゃあしょーがない。」
噂通り。期待を裏切らない選手だ。

確かに守備は固い。しかし、次第に天野の運動量が落ちてウーゴが孤立。ボールの預けどころがなくなり、反撃はカウンター一本槍。ドリブルで仕掛けて、すぐにボールを奪われ守備に走ることの繰り返しに。そして、鳥栖はサイドに張る三丸が曲者で、その内側に入ってくる原川からのクロスが危険。この攻撃を凌ぐために、トリコロールはかなり消耗した。
「交代しないのかよ!」
「でも、マルちゃんの在り方を、これでいいと監督が考えているのだったら、今、交代する選択肢もないかも。」
「とにかく耐えろ。」
そこで打った手は、ウーゴに替えてケイマン。原川へのパスコースを絶った。そして、松原が頭から突っ込む闘志あふれるプレーと、奪ってダッシュでパスを受ける拍手喝采の好プレー。このポジションを奪われたくない気持ちが伝わる。

また完封勝ち。また、トリコロールは強くなった。そして、勝ちに徹したところは大きな進歩だ。学は、絶対に決めなかればならない決定機に枠を外す。それでも、スタンドから過剰に大きな嘆きはなかった。「まぁよーがないねー」という反応。学のノーゴールへの過剰な意識は見えなかった。学にゴールさせることよりも、スタジアム全体が勝利に気持ちのベクトルを合わせていたのだ。

三ツ沢の坂を下りながら話をする。
「もうさぁ、学はノーゴールでも良いよ。」
「ゴールがなくても試合への貢献が大きいもの。」
「山中に出したパスが素晴らしかった。」
「パスの後は山中がシュートするときには後ろから追い越している。」
「これは、ウチが優勝して学がノーゴールなのにMVPという流れだ。」
「学ノーゴール無敗伝説を12に伸ばした。」

とりこぼしなく上位対決まで、厳しい闘いは続く。選手の頑張りが新しい道を切り拓く。

<試合後のコメントはこちらをご覧ください。>

<様々な目線から捉えた試合>

This entry was posted in 2階の目線2017, 2階の目線観戦記. Bookmark the permalink. Follow any comments here with the RSS feed for this post. Both comments and trackbacks are currently closed.

Comments are closed.