Jリーグ2階の目線2018 横浜1-2C大阪

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試合終了のホイッスルが鳴る。乾いた音に聞こえた。この笛で、私たちの今シーズンは終わる。逆転負け。ため息が漏れ、熱気が急速に冷めていく。できれば冷めたくはなかった。何故ならば、冷めれば、私たちは冷静に今シーズンを振り返らなければならなくなるからだ。その残酷さから、少しだけでも距離をとって時間を稼ごうと、他会場の結果を確認する。磐田の入れ替え戦行きの報を知り苦笑いする。

満足とは程遠い戦績。数え切れないくらいの逆転負け。観客数は激減し、多くのものを失った。監督挨拶に、少しばかりのブーイングが起きた。

我々は何者で、どこに向かっていくのだろう。実は冷静に振り返るために、一週間の時間を要した。

謎だったクラブが目指す道は、この1年間で明らかになった。だから、あの年の内部の反乱と痛みの質は違う。だが強い痛みを伴う1年間だった。本来は失点を減らせる戦術なので意図的ではないと思うが、結果的に我々は堅守を捨てた。やってみれば簡単に捨てられた。日本代表経験者が指揮する強固な中央の守備は過去のものになった。お家芸だったサイド攻撃は禁じ手となった。ワールドカップのテレビ中継を通じて誰もが知る選手はメンバー表から姿を消した。

試合後の選手がスタンド前を回る間、ほとんど声を発することができなかった。力を振り絞って拍手だけはした。しかし、虚しい。最終節での残留決定は、あの2001年以来の2度目。降格圏に足を踏み入れることはなかったが、入替戦行きとの勝ち点差で見れば史上最悪の戦績でシーズンを終えた。

あれから一週間が経った。浦和が天皇杯を制したことで天皇杯の最多優勝(慶応BRBの最多優勝は認めない)記録も並ばれてしまった。我々は、また一つ失った。

失った、失った、失った・・・。

でも、得たこともある。我々は、このクラブが誰のためのクラブであり、何を目指そうとしているのかを、少しばかり理解したかもしれない。戦績は史上最悪で営業面でも大失敗のシーズンであったが、数々の新しい取り組みは、ファン・サポーターを巻き込もう、一緒に前進していこうというクラブの意志を感じた。ゴール裏は常に団結していた.ブレることなく応援の歌声は続いた。さらに、なんとなく呼びかけて始まった恵比寿での都内観戦会をきっかけに、席種を超越したこれまでにないサポーターコミュニティが生まれた。「5レーン理論」「ハーフスペース」「ポジショナルプレー」「偽サイドバック」「トランジション」・・・マンチェスターシティという手本が示されtことで、かつてないほどにサッカーそのものに対する話題・意見交換が深まった。そう考えれば、悲しいシーズンでも楽しい1年間だったと思えてくる。

いや、やっぱり楽しいシーズンだったのだ。笑顔がたくさんあったシーズンだった。1年間に2回も埼玉スタジアムで決勝戦敗退という苦い記録もあり、2018年は、長く忘れられない年となるだろう。そして、2019年にタイトルを獲れれば「2018年は産みの苦しみの一年だった」と、さらに大きく笑って語り継がれることになるだろう。

トリコロールの歴史は歩みを止めない。クラブは永遠に我々と共にある。さようなら、最悪の戦績の2018年。ありがとう、楽しかった2018年。
来シーズンも笑って泣こう。

<試合後のコメントはこちらをご覧ください。>

<様々な目線から捉えた試合>