元レアル・マドリードB ヨビチェビッチ

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第4話 元祖秘密兵器が東欧から襲来

「秘密兵器」という単語には甘く魅力的な響きがある。過去、Jリーグには何名かの「秘密兵器」と呼ばれる選手が在籍したが、このヨビチェビッチほど「秘密兵器」の名にふさわしい選手は他にいないだろう。何しろ出場した試合はホーム最終節の1試合。しかも、その試合はステージ優勝を賭けて横浜へ乗り込んできた清水エスパルスとの決戦であった。
プレーしたのは1999年シーズン。このシーズンは歴史に残る、フリューゲルスとの合併を経て横浜F・マリノスとなった最初の年。ピリピリとしたムードで試合を重ねていった。加入したのは8月。U-18ユーゴスラビア代表 、U-20クロアチア代表の経歴。かつてはレアル・マドリードBに所属。その後もクロアチアの名門NKザグレブに所属していたため期待が大きかった。しかし出場機会はなく謎のまま。ホーム最終節の清水エスパル戦戦を前に「秘密兵器」と報道される。観客数44,028人。セカンドステージ優勝を争う直接対決。1点差を追う85分に、ついに初出場を果たすが、ジャンピングボレーを失敗したくらいしか印象に残らないプレーに終わり、清水エスパルスが逃げ切り勝利。清水エスパルスはステージ優勝を達成した。ヨビチェビッチは秘密のままに終わった。

その後、ブラジルのグアラニに移籍するが
ブラジルでも謎選手と思われたみたい。
ブラジルメディアから電子メールで私に
プレーについての質問が入った。
「1試合しか出場していないので、どのような選手かは解らない」
と回答するしかなかったよ。
石井和裕(談)