スタジアムには沢山のサポーターがやってくる。スタンドで、いつもの顔を見かければ安心感、嬉しさがある。まさに「ホーム」だ。名前を知らないけれど、顔を知っているサポーターとアウェイ遠征のときに遠くの街の繁華街で出くわすこともある。緩やかなつながりであり、心に強い絆を持っているのがサポーターのコミュニティといえる。

そんなサポーターの日常だが、2018年シーズンのマリノスサポーターは一つの階段を上がった。渋谷区内のパブでアウェイゲーム中継を観戦する平日都内観戦会が人気に。サポーター史として捉えると、観戦席種を越えたサポーターの交流が活発化する新時代の到来を感じさせる年だった。

仲間を知ると、もっとスタジアムが楽しくなる。仲間に知ってもらえると、もっとスタジアムが楽しくなる。だから、皆さんにはオススメしたい「サポーターはキャラを立てていこう」「仲間の輪を広げよう」。具体的には、どのようになれば「キャラが立っている」ことになるのか。仲間づくりが広がることにつながるのか。

自分のキャッチフレーズを他人が付けてくれるような存在になろう。

キャッチフレーズもしくはタグラインと呼ばれる表現がある。自分が何者であるかを短い言葉で説明できるフレーズだ。

マリノスサポーターのキャッチフレーズ(のようなもの)例

マチに踏まれたい 平井なつめ
鉄ちゃんじゃないよ 八百屋出禁
好みの筋肉 うな
人間の男は信用できないけれどカモメなら信用できる! ささゆか

ポイントは自慢でもなく、自分の理想形でもなく、ポジションや趣味嗜好が相手に伝わるということだ。自らが相手に強要するのではなく、相手が「こんな人だよね」と覚えてくれるのが良い。こうしたキャッチフレーズが活用されている代表的な例はプロレスラーだ。下の動画を見てほしい。知っているレスラーであればイメージぴったりだと思うだろうし、知らないレスラーならば、どのようなレスラーなのかをなんとなく想像できるだろう。大吉先生に言わせると「キャッチフレーズは上の句・下の句」だそうだ(一度クリックして再生されない場合は「この動画は YouTube でご覧ください。」をクリック)。

企業の場合はタグラインと呼ばれるフレーズが多く使われる。いずれも「自己紹介」のように企業や商品・サービスの約束すること、理念、ミッションを示している。

企業のタグライン例

Innovation that Excitesr 日産
お、ねだん以上。 ニトリ
NO MUSIC, NO LIFE タワーレコード
すべては、お客さまの「うまい!」のために アサヒビール
お金で買えない価値がある マスターカード

キャラが立ったサポーターには、一度でも会えば忘れられない存在感がある。

どうだろう、お解りいただけただろうか。ポイントは、的確に相手に伝わる、相手から共感をもって理解されるところだ。自分の理想像を相手に押し付けたり、言いたいことを一方的に主張し続けてはコミュニケーションが成立しないのだ。米国のプロレスの場合はキャッチフレーズだけではなく、技や決め台詞も、ある程度まではパターン化されている。なぜなら、民族、人種、言語、宗教も異なる多種多様な人たちが集まるので、解りやすさが重要だからだ。Jリーグのスタジアムにも共通点があるだろう。個人のサッカー観や応援論は宗教のように異なるし、普段の仕事も全く違う。そんな人たちが「サポーター」というくくりで集まっている。あなたを解りやすくすることが仲間づくりに繋がる。

キャッチフレーズを自分で付けると「ダダ滑り」の可能性が高い。

押し付けは好ましくない。だから、自然に、なんとなく、いつの間にかキャッチフレーズが定着していると良い。先に紹介したキャッチフレーズ(のようなもの)も、当人たちがキャッチフレーズとして発表したものではないのだ。なんとなく、日頃のコミュニケーションの中で、彼ら、彼女らを示すフレーズになっていただけだ。では、どうすれば良いのか・・・。「いつものキメ台詞がある」「多用する単語がある」とか「好き嫌いのこだわりポイントがある」「ファッションや手持ちのグッズに特徴がある」と良いだろう。

あなたも今シーズンはキャラを立てていこう。