Jリーグ2階の目線2019 横浜F・マリノス0-0サガン鳥栖


「運」でも「決定力」でもない。

シュートが枠に弾かれたものの、そこまでのプロセスは意図した崩しになっていない。90分間は偶然と苦し紛れの繰り返しだった。誰が、ピッチ上でチーム全体をコントロールするのか。今日もまた明らかではなかった。狂ったポジションの穴埋めを仲間意識で気を使ってお互いに埋めていくことは悪くはない。しかし、穴埋めの無限ループが止まらない。天野のポジションは後ろ過ぎる時間が長かったし、喜田は外のスペースのバランスを保つ機会が多すぎた。中に行き場を失った大津は迷子に。皆、狂ったポジションの穴を埋めることで精一杯だった。

終わってみれば、やるべきサッカーを意図的に出来ていたのは仲川がピッチ外に出て1人少ない時間帯だけだった。それが何を示しているのかは、翌日以降に動画で試合を振り返れば、選手も理解できることだろう。

鳥栖は尹晶煥の遺産を使い果たしていた。運動量も圧力も足りなかった。しかも、フェルナンド・トーレスはいないし、センターバックは本職ではない藤田。これまでの鳥栖とは、全く違っていた。明らかに現時点での力は鳥栖が数段劣る。それでも、トリコロールは、やりたいことを出来なかった。「運」でも「決定力」でもない。この事実と理由を重大に捉えた方が良い。昨シーズンまでは苦笑いで済んだ試合だが、今シーズンは笑って許されるサッカーではなかった。

「なんとなくやれている感があるままに、実はやれていない試合が進んでいくのは良くないよね。」
前半の途中の会話で出てきたこの試合の表現。今日は崩せなかった。浮き玉への逃げも多かった。守備も乱れた。「勝ちきれなかった」試合ではない。やるべきことをやらなかった試合なのだ。

残り時間はわずか。どうしても勝ちたい。
「丁寧に!」
アディショナルタイムに飛び出した声は「急げ!」でも「行け!」でもなかった。

今、トリコロールに求められているのは「プランB」ではない。まず「やるべきことをやる」。そこからだ。

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