天皇杯2階の目線2019 横浜F・マリノス2-1立命館大学

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北からやって来た男はゴールを決めて大宮へ去っていった。

天皇杯といえば下部リーグやアマチュアチームに大苦戦するのは相場が決まっている。誰もが覚悟をしてスタジアムに足を運び「やっぱりな」と思って試合開始20分を経過する。ただ、この試合に限っていえば、立命館大が素晴らしかった。トリコロールに油断があったから苦戦したと断言できるほど動きが悪かったわけではない。

悪いところを取り上げれば、右サイドに何度も、そして唐突に生じる大きな穴を意識するがゆえに、プリンスが、栗原が、本来の持ち味を発揮できなかったということに言及せざるを得ない。穴は最初は小さくても、時の経過と共に大きく深く広がっていくものだ。

停滞したムードを打ち破るため、後半に入ってからは天野が積極的に仕掛けた。意表を突く角度のないところからニアを狙ったシュートも見せた。スペースを見つけては繰り返し突き、ハーフスペースに潜り込んだ。

パギから繋がれたボールは天野へ。ゆったりとしたパス回しと見せかけて天野でスピードアップする。受けた遠藤は縦へドリブル・・・もわずかでグラウンダーのクロスを巻き込む。GKの前を通過するボール。立命館大の選手たちに一瞬の隙。大学レベルでは、このタイミングに大外に選手がいるとは考えられなかったのだろう。彼らにとっては、いないはずの場所にイッペイシノヅカがいた。大学生相手に奪ったにしては派手すぎるゴール後のパフォーマンスにスタンドは大いに湧いた。

2-1。これが最後のゴールだった。そう、決勝点。

「イッペイ来年いるかな?」

三ツ沢の坂を下り、たどり着いた店で祝勝会をしながら会話していた。でも、そのとき、すでに決まっていたのだ。突然に北の国からやって来たイッペイシノヅカは、突然、完全移籍で去っていった。あの素晴らしいゴールを決めトリコロールに次の試合に臨む権利を付与し横浜をあとにした。本当に最後のゴールになってしましまった。

レギュラーポジションを確保していたわけではない。だが頼れる男だった。イッペイシノヅカ。次に会うときは、苦手の大宮以外の場所であってほしいものだ。

直後に強い雨。延長戦にならずに良かった。
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