Jリーグ2階の目線2019 横浜F・マリノス1-2セレッソ大阪
お盆を終えて急造チームが帰ってきた。
ここまで見る者の心を動かさない試合は久しぶりだ。試合後の日産スタジアムでは、珍しく大きなブーイングが選手を迎えた。全く選手の連携がかみ合わなかった。いや、やり方がわからな選手ばかりの試合だった。とはいえ、この試合の結果と内容を、この試合だけで批判することも擁護することも出来ない。なぜ、このような急造チームになったのか。このチームでJリーグに出場するのは初めてという選手が4人もピッチ上に存在した。なぜなのか。
7月20日の神戸戦でチアゴが後半の早い時間に退場。暑いスタジアムで消耗した。前節の鹿島戦でも扇原が退場。消耗戦となった。今週の天皇杯では前半に3点目を奪えずに苦戦。その上、パギが負傷で交代。終盤は激戦となった。選手交代を見てみれば、7月以降の大分戦2人、清水戦2人。少しでも消耗を抑えて夏場を乗り切るという采配ができていない。そして、このセレッソ戦でも2人の選手交代。やっているサッカーそのものが悪いわけではない。対戦相手の選手は、常に試合終了時には疲労困憊だ。しかしトリコロールも、自ら、余計な疲労を蓄積させていった。
その結果、多くの新顔選手を起用せざるを得なかったのだろう。試合内容は、まるで、去年のようだった。フワッとクロスを連発する前半。縦パスを入れられない後半。勝負所の85分前後には、ゴール前の中央に3人のブラジル人選手が固まり足を止めてボールを待った。試合全般を通して2トップのような布陣は前後動が少なく中央でパス交換をする動きを見せられなかった。救いは、ハーフタイムの修正でマテウスがフワッとクロスを後半に封印したことくらいだろう。しかし、その程度の修正ではセレッソには勝てなかった。
杉本は頑張っていた。パギと同じことを出来ないのは当然なのでできることに徹していた。だが、やろうと思えば出来そうなこともやらなかった。例えば、ボールをキャッチした後にスプリントしてパスコースを作れる場所に移動するのは、最近のGKでは基本的な動きであるし、パギも飯倉もやってきたことだ。だが、それをやらない。やれるはずのことをやらないと、確実にサッカー全体に影響が出る。
リーグ戦に「切り替え」はない。過去の試合もこの試合も必ず次に繋がるのでリセットされることはないのだ。良い物もある、悪い物もある。悪い物も理解した上で監督はどう采配するか?選手はどうプレーするか?サポーターはどう応援するか?を求められる。
そういえば、この試合でも選手交代は2人だった。しばらくトリコロールは苦しみそうだ。