Jリーグ2階の目線2019 横浜F・マリノス3-1ガンバ大阪

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新しいサッカーの流れに乗ったトリコロールと、新ルールにも乗れていない青黒。

リーグ戦は面白い。もちろん優勝を目指して勝ち負けを争うから面白い。でも、単に目先の勝ち負け以上の人間性がピッチ上から滲み出てくるから更に面白い。

強くなったトリコロールを見せつけた。2得点目も3得点目もすんなりと奪ったわけではない。一度は止められたものの、素早く次のプレーを起動してゴールを強奪した。今や、トリコロールの選手たちに、がっかりしている暇も、寝ている時間もない。この半年間で選手たちは大きく成長した。強い精神力の証だ。

遠藤が、あの状況でニアサイドをぶち抜く、2試合で3得点目のゴールを決めるなど、今シーズンの序盤では想像できなかった。杉本大地が、大きな背丈を利用した迫力ある前進でピンチを救うなど、2週間前には想像できなかった。広瀬が、自由奔放なエリキ先輩のポジションの穴を埋め、ポジションの修正を指示することになるなど10日前には想像できなかった。人は経験を積むことで変わる。

エリキ先輩も、そのうち変わるだろう。今は、どこで何をすれば良いのか解らない状態。だが、後半からはタッチライン際に、しっかりと張ることが増えた。
「あれはハーフタイムに、相当言われたな。」
「ここにいないと使わないぞ、くらいは言われたんじゃないか。」
「あまりに遠くにいるので見失うことがある。」
「しっかり消えて、あそこにパスが来たら大チャンス。」
「あの位置に立つと、フェンスの青と同化して姿が見えない。」
なんだかんだと、この試合でも得点に結びつく見事なスルーパスを繰り出した。先輩、侮れない。
「ただ、謎が多い。」
「あの、またぎフェイントは、やる意味があるのか?」
「ゆっくりと大きくまたぐんだけれど・・・。」
「あれはフェイントではなくて、おまじないか何かではないか?」
チームメイトが得点すれば、無理やりパフォーマンスに割り込んできて笑顔。いい人なのは間違えない。チーム戦術を吸収すれば、もっと力を発揮するはず。
「前節と比べると、かなり良くなったよ。やることを整理してあげたんだろうね。」

対照的なのはガンバ大阪。昔の名前で出ています。見る影もない。宇佐美は踊らず井手口は脚が出ずに手を出す。
「いい加減にしろ大阪・府!!」
「表現が正確。」
「06じゃない。」(実は吹田市は06)
トリコロールの素早い展開についていけず、酷いファールを乱発した。変わらないのは、絶好機でシュートを枠に撃てないアデミウソンくらいだった。変わった新ルールを理解できていないパトリックという選手もいた。

トリコロールも負けていない。(衰えた方じゃない)遠藤が、タッチライン際で、久しぶりに懐かしいファールを見せてくれた。
「あああああーーー!」
「いやーんファールだ!」
抜き去ろうとする相手選手を両手で横から押し倒す「いやーんファール」。アニメで女の子キャラが男子を「いやーん」と押し返す動きが、その名の由来だ。
「久しぶりに見たなー、いやーんファール。」
「何年振りだろう。」
「上野良治の後にはやる選手がいなかった。」
「やるな、遠藤。」

この試合は「圧勝」というよりも「楽しい試合」「気分の良い試合」だった。スタジアムに来なければ見ることができな出来事がたくさん起きた。選手の著しい成長を感じられた。ティーラトンをはじめとする外国籍選手たちの人柄を感じられた。そしてスーパープレーの数々。これぞリーグ戦。日常の中の非日常。次のホームゲームが待ち遠しい。私たちにリーグ優勝の権利は、まだ残っている。

Come on!Tricolore !

勝利の円陣。なおエリキはトリパラをさすだけで回すことを、まだ知らない。
<試合後のコメントはこちらをご覧ください。>
<様々な目線から捉えた試合>