Jリーグスーパーカップ2階の目線2020 横浜F・マリノス3-3神戸

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9人連続PK失敗。初タイトル獲得でみんな笑顔。

振り返ってみると、素晴らしい試合だった。序盤戦は、いつも通りだと感じた。しかし、折り返し地点から急追を開始。サポーターのアクセル踏み込みが強くなり、激しい競り合いに。どちらに転ぶかわからない最終盤の結果「マリノスケ !」のアナウンスで大歓声。ついに初タイトルを獲得することができた。おめでとう総選挙一位を獲得したマリノスケ 。そして、マリノスケ を愛するサポーターの皆さん。

スタジアムで再会する仲間たち。やはりオフにパブで会うよりも、スタジアムで見る顔は生き生きしている。この空気感、この音、帰ってきたという感覚になる(たとえ、ここが埼玉であっても)。これから、あの興奮の日々が再び始まることに喜びを感じる。

ゼロックススーパーカップには5回出場して5連敗(PK負け含む)。おそらく、ゼロックスの冠協賛は今年が最後なので、全敗で有終の美を飾った。このゼロックススーパーカップという試合は、FAチャリティーシールド(現在はFAコミュニティ・シールド)を真似て始まった。Jリーグ開幕の直前に行われる大会だ。FAチャリティーシールドは、その名の通り慈善事業への寄付金を集めるために開催された大会。真剣勝負というよりは、リーグ開幕直前の仕上げを確認しながら楽しむ、タイトルマッチとプレシーズンマッチの中間くらいのイメージの試合だ。Jリーグは、当初は「真剣勝負」を強調していたが、最近は「Jリーグファンが集まるお祭り」の位置付けを変更し、全国のスタジアムグルメを集めたりマスコット総選挙の結果発表をしたりしている。

そういう位置づけの試合だし、選手のコンディション調整も、まだ不十分なので、真剣勝負の試合とは違い緩めの雰囲気で楽しむことになる。ピッチ上も、前半は「走らない、当たらない、怪我しない」の三拍子揃った安全プレー。90分間を通して、どのようなプレーがあってもポステコグルー監督は、ほとんど感情をあらわにすることはなかった。スタンドからの視点も通常のカップ戦とは注目ポイントが違う。今シーズンは、どのようなやり方で昨シーズンの上積みを目指しているのか?来週のミッドウィークに開催されるACLのメンバーは誰でリーグ戦のメンバーは誰なのだろう?

笑いと嘆きのPK戦、挙動不審の飯倉さんの面白プレー、喜田拓也と和田拓也の一文字違い交代、まだVARと無線交信している主審に「もうオンサイドと判ったから始めましょう」とプレー再開を求める喜田、強さを見せつけた伊藤、守備的FWの実績が豊富なので前線からの追い込みが上手いオナイウ・・・などなど見所はたくさんだった。おそらくACLで先発出場しないのは畠中、扇原だろう、という意見も仲間と一致した。ただ、一点だけ、この試合で感じた重要なことは「酒井高徳の見事なポジショニングで仲川が封じられた」ことだ。松原も持ち味を出せなかった。

「うーん、上手いわ。」
「見事だな。」
仲川の内側にポジションをとり、仲川にボールが渡されると一気に距離を詰める酒井高徳のプレーに何度も唸った。対戦相手は王者を研究し対策を講じてくる。エキシビションマッチとはいえ、右サイドの局面はやられすぎた。対策を上回る策はあるのか?それともプレーの精度を高めることで対抗できるのか?そして左サイド。
「エリキは中に入りすぎなんじゃないの?」
「タイミングが早すぎるよね。」
「もしかして、右にボールがあるときはツートップみたいにやるんじゃないの?」
いろいろと考えたが、オナイウとの連携も乏しく、左の大外スペースを使うこともできず、あれは、おそらく監督の狙い通りのプレーではなかったのだろう。エジガル・ジュニオの復帰、オナイウの加入でセンターフォワードの駒は揃った。しかし、枚数が増えただけだ。逆に、マテウスが抜けた左サイドの戦力は維持できているのか?ダウンしたのか?全くわからなかった。

本番は全北戦からだ。おそらく厳しい試合になるだろう。コンディションが、まだ万全ではない選手が多い中でオナイウや伊藤の身体を張ったプレーが期待される。華麗な攻撃よりも、攻め続けることで失点しない試合に期待したい。このやり方だと守り切るサッカーは難しいのだ。遠征するサポーターの声援は、選手にとって力強い支えになるだろう。頼むぞ。

よいお天気でした。

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<様々な目線から捉えた試合>