2013年 ナビスコカップ2階の目線 横浜0-4柏(日立台)

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90分ハーフの前半戦が終わる。0-4。滅多に見ることのない大敗。スタンドの反応は、人それぞれだ。フェンスを叩いて怒りをあらわにする者、拍手を贈る者、次の試合での雪辱を誓う者、好プレーをした選手に賞賛の声を贈る者・・・。中には「あいつはやる気がない」「根性が腐ってる」など人として多いに問題のある発言をする者も現れる(友達なくすよ)。たった一つの、目の前で起きているサッカーを巡って、全く違った声が沸いてくるのは面白い。

そこで、なかなか聞くことの出来ない感想に遭遇する。そして、それは私自身が持った感情と同じだった。

「負けて清々しいんですけど。」

4失点のうち、3失点目はミスによるもの。端戸は、まさか自分にパスがくるとは思えない展開だったために、まったく準備ができていなかった。しかし、その失点を除くと、いすれも素晴らしいスーパーゴールばかり。サッカーは、なんて美しいのだろう。カクテル光線に照らされた選手たちは、両クラブともに輝いていた。ゲームに入れない選手は誰一人いなかった。全ての選手が全力で闘った。

「今日の敗因は田中が代表に呼ばれていないことだ。」

「だいたい工藤の控えが田中ってどういうことだ。層が厚すぎるだろ。」

「田中は、来年にうちに来ないかなぁ。」

「いや、来ないでしょ。来る理由がない。」

「でもうちに来れば、工藤がいないんだぜ。」

「0-4は苦しいね。」

「でも、こういうときの2ndレグって2点は穫れることが多いよ。だから、あと2点を穫れるかどうかの闘いなんだよ。どうにもならないわけじゃないよ。」

「みんな思い出せよ。奴からは8点を穫ったことがあるんだぜ。」

「そうだ、8点穫れるぞ。」

「でも、あいつ、柏に移籍してから、格段にプレーが安定しているよね。」

「そりゃぁセンターバックの質が全然違うから!」

「あんな前所属クラブと比較したら、さすがに柏に失礼だよ!!」

 

ところで、ネルシーニョの辞任発言と撤回は何だったのだろう。あの騒動のおかげで柏は結束し、必勝態勢でこの一戦に臨んできた。

「そりゃそうでしょう。辞任発言の次の試合の対戦相手が筑波大ってのがミソですよ。」

「う〜ん、なんか、そんな気がしてきた。」

「WWE級だな。」

筑波大戦で柏の選手たちは、積極性、自信、責任感を取り戻し、この試合でネルシーニョに披露した。このブックにトリコロールは見事にはめられたのではないか。

「でも、こんなことやったら井原はやめちゃうんじゃないの?」

「『人間不信』とか置き手紙をして消えかねない。」

「ネルシーニョは、そこまで計算してやってたりしてねー。」

「うわ〜〜〜〜ネルシーニョならやりかねない。」

 

さて、最後の15分間でトリコロールは本来の闘い方を思い出したようだ。中盤の底からの大きな展開。リズムを作るショートパス。この試合で序盤から目立ったギクシャクした攻めと、次の展開に繋がらない楔のパスは解消されるかもしれない。

「結局さぁ、今のうちは富澤がつくっているんだよね。」

暦の上ではセプテンバー。さまよう気分はハンター。果てしなく貪欲。一休みの2試合は終わった。来るのは反撃の季節だ。