Ｊリーグ2階の目線2022 横浜F・マリノス2-0 清水ここに来れば誰もがトリコロールに染まる

全く危なげなく試合は終わった。拍子抜けくらいの完勝だった。もしトリコロールがチャンピオンならば「横綱相撲」とメディアは書いただろう。２得点後は安全運転だった。そして、清水のGKが権田でなければ、あと２得点はできていたに違いない。

この試合も苦しいメンバーだった。やりくりの中で、監督はピッチ上の選手を決めていった。後半には、小池（L）小池（R）の共演に加えて、世にも珍しい「センターバックが２人とも左利きなので右サイドへの配球がぎこちない」という試合展開まで生まれた。そんなメンバー構成でも完封勝ちをできてしまうチーム力に、改めて感心する。そして、全く予想外の角田の成長した姿に感嘆する。前にボールを運ぶドリブルが素晴らしい。ボランチを楽にするプレーだ。相手のプレッシャーを受けても身体でボールを隠し前進する。いつの間に身につけていたのだろう。

リーグ開幕直後の5連戦を3勝1敗1分けで終えた。1敗はもったいなかったが、上々の滑り出しといえる。首位だ。そして、角田をはじめ、多くの選手を起用して勝てたことには運が向いている。怪我の功名といえる。しかし、功名となったのは全選手の頑張りがあったから。いずれの試合も苦しい状況の中で戦い抜いてきた。

優勝を確信できるほどのインパクトがあるサッカーではない。でも十分に優勝争いできる力があることは確認できた。凌ぐ強さも感じた。どんなメンバーが加わって、全てはトリコロールに染まる。巨大なスタジアムは、それを優しく包み込む。良い循環が生まれてきた。次の週末が待ち遠しいと思えるシーズンが帰ってきた。このまま秋までアクセルを踏み込んだままで突っ走ろう。今シーズンは短い。