Jリーグ2階の目線2022 横浜F・マリノス0-2G大阪 リーグ王者「奪還」を目指す意味
Jリーグ2階の目線2022 横浜F・マリノス0-0札幌 北の術中にはまる
選手入場時のゴール裏に掲げられた「奪還」の文字。力強い響きだ。今シーズンの横浜F・マリノスには、その2文字にふさわしい力強さが感じられる。優勝にふさわしいプレーを続け、ガンバ大阪戦を迎えた。
コーナーキックに生まれたエアポケットのような失点……というのは容易いことだが、果たしてそうだったのだろうか。確かに、試合開始早々の喜田のミドルシュートにはじまって猛攻を仕掛けた。しかし、反面、緩さも感じられた立ち上がりだった。競り合うべきハイボールを競らずに眺めるシーンが2度か3度あった。
古くは30年前の1992年のJリーグヤマザキナビスコカップ・グループステージ最終節。優勝候補だったトリコロールは最下位の横浜フリューゲルスに敗れノックアウトステージに進めなかった。あのときも、競り合うべきハイボールを競らずに眺めるシーンがいくつかあった。その後も、こうした現象は大一番で起きており、こうした試合で勝ち点3を奪うのは常に至難の業だった。眺めていても勝利は転がってこないのだ。
優勝のプレッシャーなのか、何が原因だかわからないが、とにかく、いつも通りの細部にまでシビアなプレーはできておらず、その延長線上にコーナーキックからの失点があったと考えて良いだろう。確かに、ガンバ大阪は松田監督の名人芸ともいえるブロック守備を堅固に敷いた。しかし、横浜F・マリノス側が、自ら実力を発揮できず、そして、終盤には、まるで、この試合を落とすと優勝できないのではないかと思わせるくらいの焦りを感じさせるプレーを繰り返した。
考えすぎる必要はない。何か大きな問題を引きずるわけでもない。スタンドのサポーターはいつも通りだったし、何か変わったこともなかった。一つだけ言いたいのは「やるべきことをやれば勝てる」ということだけだ。優勝にふさわしいトレーニング、戦績、戦術、選手起用、応援……全てを積み重ねてきた。他のクラブを上回ってきた。優勝は、待っていても掴めない。焦っていたら逃げる。自らが前進し奪い取るものなのだ。