Jリーグ2階の目線2018 横浜1-2神戸

あまりに不甲斐ない試合だった。監督は、この難しいスタイルを進化させたいと考えたが、選手は退化を感じさせるプレーをしてしまった。もちろん悪気はないし、コミュニケーションの問題でもないだろう。だが、そのような結果が出てしまったのだから仕方ない。問題点はピッチ上にある。

前節まで、課題は明白だった。中央に人数が足りないため、シュートが少ない。後ろからサイドに簡単に捌きすぎる。だから、監督は、敢えて扇原一枚のアンカーに変更した。プレッシャーのかかる局面でのプレーが苦手な扇原が前にボールを運べるのか。一抹の不安とリスクを背負う布陣。でも、それでも前の中央に選手の数を増やしたかった。当初のやり方であれば、扇原の前にはインサイドハーフが2枚と横に偽サイドバック。そうなるはずだった。

その監督の想いは、あっさりと裏切られた。サイドに逃げるボールと人。本来は、前の中央に人数が増えるはずの布陣だったが、試合が始まってみれば、前の中央にいる人数は同じだった。いるべき場所に人がいない。人がいるのはサイドだった。中央に人がおらず、虚しく無駄なクロスがゴール前を横切った。人が、いるべき場所にいないのだから得点にはならない。だから、カウンターの流れとはいえ、ブマルが、いるべき場所に入っていったら先制点になった。しかし、あの場所は、本来はウイングが仕事をする場所ではないはずだ。

そして、中央に人がないからカウンターの餌食になる。開幕から3節くらいまではボールをロスとしても、中央で、すぐに囲むことができた。しかし、扇原を一枚のアンカーに変更し、偽サイドバックの場所に選手はおらず、インサイドハーフもアウトサイドへ。外にばかり人がいて中央の人数は減った。その結果、突破を許し、後ろ向きになって守備に奔走する回数が目立つ。ダメージは蓄積し、飯倉、中澤、デゲネク、そして松原が犠牲になる。失点や警告の主たる原因は、彼らにはないはずだ。でも記録は残る。こんなの彼らの正当な評価ではない。

「このサッカーをやりたいんだったら1年から2年かけて、選手を総取っ替えしなきゃダメなんじゃないか?」

そんな声も出た。生き残りたければ、選手は頭を使うことだ。まずは単純な算数で人数を数えるところから始めよう。

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Jリーグ2階の目線2018 横浜1-1川崎

試合開始から20分間で6失点してもおかしくない程のピンチを迎えた。両サイドは簡単に突破され続けた。30分をすぎると、偽サイドバックを放棄する時間が増える。オーソドックスな4バックで攻めるシーンも。2枚に前を塞がれ続けた天野は、中央でボールを前に運ぶことを断念しサイドに逃げる。

これまでの試合の積み重ねを、いっときの間は放棄する、そんな前半だった。

後半に入ると、元の戦術に戻る。互角に闘えるようになる。そして、裏切りの37番がピッチに登場しスタジアムの雰囲気が引きしまる。サポーター のモチベーションが更に上がる。試合後に「愛情の裏返し」という名言を残し、おめでたい37番の挑戦はハーフウェイラインの少し先までで終る、因縁の第二章の予感を残して。

過去に記憶にない程のフェアな闘いだった(家長がコーナーフラッグを抜いたシーンを除く)。川崎はリーグ王者としての実力を見せ付けた。だが、それが残酷なショーにならなかったのは、飯倉をはじめ、トリコロールの選手たちが慌てた姿を全く見せなかったからだろう。

とはいえ、毎試合のように前半は様子見では困る。それでは進歩のスピードは鈍る。
「良く引き分けた試合だった。」
「お互いにシュートが入らない試合だった。」

ただ、試合後の多くの川崎サポーターの表情は冴えなかった。それが両クラブの今の実力差と地位を示している。その悔しさが残る試合だった。差は広がってはいない。でも差は縮まってもいない。

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Jリーグ2階の目線2018 横浜1-0清水

清水の竹内は試合後のインタビューで「自分達のスタイルは貫けた」と語った。トリコロールも、当初のアンカーを置くスタイルから、少しばかりの妥協はしているものの、今、やるべきスタイルを披露することが出来た。力と力の激突する好ゲーム。日本平は沸きに沸いた。

序盤は清水の猛攻。サイドからボールを運び、その間にゴール前に4人が入る。クロスは低く速く。大外の選手が決めてくる。これまで得点を重ねてきたテンポの良い攻撃。序盤の5分間で好試合の予感は的中する。

「でも大丈夫、大丈夫。これを90分間も続けられわけがないって。」
「アーリーでクロスを入れさせなければ、サイドは捨てても大丈夫。」

その預言は的中。清水のクロスは浮き玉が増えて行く。背番号28の立田は走らされ、後半の早い時間に脚を攣る、79分に10km以上を走り交代した。逆に自ら走って72分に賞賛の大拍手に贈られてピッチから下がったのは大津だった。

「大津が凄い。」
「大津が仕掛けると清水の選手が下がる。」

ピッチに現れる獲物に餓えたしなやかな身体。今に始まった事じゃない。前にもロンドン五輪で見た。その美しい姿の中身は野獣だぜ、大津。
※元ネタ Maneater -Daryl Hall & John Oates (1982)

大津にはドリブルが武器だというイメージがある。だからだろうか、清水の中央の選手は、一瞬、身構える。だが、大津が狙うのはウーゴとの距離を意識しながらのディフェンスラインの裏。走り込む。今シーズンのやり方に欠けていたのは、この中央突破をうかがわせるプレーだった。鍵は開いた。すると、ユンユンとブマルが清水のディフェンスラインと中盤の選手の間のスペースでパスを受ける機会が増える。パスにオートマチズムが加わりスピードが上がる。吉尾が投入されると、スピード感が更に増す。もし今後、開幕当初のアンカーを置くスタイルで、大津の隣に天野や吉尾が、またはブマルが配置されるサッカーに発展したら、このサッカーは、どこまで魅力的な進化をしていくのだろう。

逆に焦りを感じさせたのは遠藤。代表帰りでコンディションを考慮されたとはいえ、いきなりレギュラー確保に黄色信号。プレーに気負いが見える。それでも気迫のダイビングヘッドでゴールに迫る。松原は出血に耐えて最後まで闘い続けた。デゲネクは代表帰りでありながらフィジカルコンタクトで相手を圧倒する強さを見せる。
「ミロシュは代表で、とんでもない奴らとやり合ってきたからな。」

今シーズンのポジション争いは昨シーズンよりもアツい。

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Jリーグ2階の目線2018横浜1-0浦和

果たして、そこまでが監督の指示で、どこまでが選手同士の話し合いの結果なのかは分からない。ただ、ひとつ言えるのは、ハーフタイムに何かがあったということだ。前半は試合しているようで支配出来ていないもどかしい展開。ボールを保持しているが、シュートを撃てるシーンが少ない。攻め切れない。扇原のところでボールが停滞する課題は解消されたが、それは、すぐ近くにバブンスキーが居るから。つまり、前目のポジションには選手が一人足りず、攻め手を欠いた。ユンユンの左サイドは、山中が長い距離を走って仕掛けるが、ボールは外を掲出するだけで、ゴール前までの時間を要する。

そんな前半だったので、ハーフタイムには改善策を巡る意見交換がスタンドで盛んだった。「天野がフリーなポジションに動けば、もっと縦パスをだせる選択肢があるはずなのに・・・。」「山中が外に開き過ぎて、開幕の頃のポジションと違い過ぎる。」「それは、中盤の底に扇原とバブンスキーの2枚が居るからではないか。」「天野が動けないのであれば、天野とバブンスキーのポジションを入れ替えて、前にバブンスキー、後に天野にしたら良いのではないか・・・。」

そして、後半が始まった。ドリブルで中に斜めにコースをとってくる山中。前にバブンスキー、後に天野!
「ハーフタイムに変えてきたぞ!」
バブンスキーがパスを引き出し、中盤や最終ラインからの縦パスが増える。ユンユンも持ち味を発揮し突破をみせる。

そして得点のシーン。吉尾が動きディフェンダーを引寄せる。遠藤が前に進み、ディフェンダーを引き寄せる。斜めにドリブルでボールを運ぶのは山中。そうだ、後半開始早々の、あのドリブルのコースどり。数的優位をつくる。慌てて下がってくる浦和の攻撃的ポジションの選手達。そして、逆サイドの大外に待っていたウーゴにパスが繋がり、西川の護るゴールネットを揺らした。あまりにスムースに、そして同時にトリコロールの選手たちが動きだしたため、脳がオーバーフローし、誰がゴールしたのか判らなかったほど、見事なオフザボールの動きだった。

これをやりたかった。ついに、私達は、目指した形でゴールを奪った。トリコロールは前進したのだ。

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Jリーグ2階の目線2018横浜1-2鳥栖

試合開始前にピッチに散らばる選手たち。黒髪の小林はバックスタンドを見上げる。スタンドの表情を一瞬確認してか、拍手する。バックスタンドからも拍手で答える。相互に健闘を讃える爽やかな春のシーン。ところが、試合は、イタリア人の監督らしい、潰しにかかるサッカーで肉弾戦と化した。

「まさか、Jリーグでこんなサッカーを見ることになるとは・・・。」
「こりゃマンマークで詰めてきているじゃないか。」
「さすがはイタリア人はやることが違うな。」

中盤の選手には、タイミングにもよるが、ほぼマンツーマンの厳しいマーク。狭い局面で自由を奪おうとする鳥栖の戦術。これをやり過ごすことは、それほど難しいこととは感じなかったのだが、ピッチの中の感情は、外とは違い、相当苦しかったようだ。ポイントは扇原。この試合に関しては、全てが彼に起因する。

「扇原だとこうなっちゃうだろうなー、と想像した通りになってしまうとは・・・。」
「パスを受けてから出しどころを考えている感じ。」

中盤に数的優位を作って素早いパスで翻弄して、相手のディフェンスラインの裏を狙っていくはずが、時間をかけてしまう。そして、昨年まで通りにサイドに流れていてしまう。運ぶわけではない、ただ無駄に時間を過ごしてしまうドリブル。イバルボ、原川、小野といった攻撃力に才能を持つ選手たちが体を張って仕掛けてくる。中町を中心に応戦する。

解決策としてバブンスキーが投入され、前節までの素早い配給を復活させる。しかし、サイドからの攻めに偏重し、その様は、まるで昨シーンまでのよう。残念ながら、終盤の反撃に転じた時間帯では、扇原はピッチ上から存在感を消去された。

では、扇原については絶望的なのか?そうではない。彼のプレーを絶望視するのであれば、対応策は単純だった。キャンプでポジション経験のある中町がアンカーの役割を担えばよかったはずだ。しかし、中町はベンチに下がった。おそらく、中町がアンカーを担っては未来がない。扇原に、このポジションをやらせたいはずだ。扇原の奮起に期待しよう。まだ挑戦ははじまったばかりだ。

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Jリーグ2階の目線2018横浜0-2柏

試合終了のホイッスルがなる。前半の圧倒した展開からは想像できなかった試合結果。0-2の敗戦。失点に繋がるプレーをした松原とデゲネクがうつむく。不運だった。全力で最後までプレーしただゆえの失点だった。

ピッチ上に数名の選手が倒れこんだ。いずれも黄色いユニフォームを着ている。トリコロールは時間の経過とともに疲労を見せていた。しかし、試合終了後に動けなくなるほど走らされたのは柏だった。それは衝撃的な光景だった。

苦難のスタートを切ったが、かつてないほどのアクティブな攻撃姿勢を見せるトリコロールはスタンドを魅了した。仮設スタンドを去り、道路に出る頃、多くのサポーターは笑顔だった。

「伊東にデゲネクが後ろから追いついたのが凄かった。」
「松原のオウンゴールは良いオウンゴールだよ。気にする必要はない。」
「ACLに出場する強豪の柏が、ウチごときに引いて構える守備をするなんてけしからん。」
「飯倉のスローインを見られたのが良かった。」
「痛がり休憩タイムがないからサポーターがお休みできない。辛い。」

課題はたくさんある。不満もある。でも、それよりも希望が大きい。シーズンは始まったばかり。まだ春すら来ていないのだ。

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行くのが面倒なアウェイスタジアムと行きたくなるスタジアムとは(2018) マリーシア感情的サポ論

サポーターは日本全国どこへでも、世界の果てまでも、愛するクラブの試合があれば応援に駆けつける。前回は横浜F・マリノスサポーターが好きなアウェイスタジアムについてアンケート調査結果と考察を紹介した。今回は逆に行くのが面倒なスタジアムについての横浜F・マリノスサポーターを対象にしたアンケート調査結果を紹介する。

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まずは観光の魅力と行くのが面倒なスタジアムについて考えてみたい。

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横浜F・マリノスサポーターが選ぶ、観光を楽しめそうなスタジアムには、全国の観光地に隣接するスタジアムがランクインしている。一方、行くのが面倒なスタジアムには、アクセスが悪い、もしくは、大分や富山のように横浜からの移動時間が極端に長くかかるスタジアムがランクインしている。大分県には別府温泉や湯布院といった人気観光地があるが観光を楽しめそうなスタジアムにランクインしていない。これは、移動距離が長く十分に観光を楽しむ時間がないイメージがあるためと考えられる。特に、空港からスタジアムまでのアクセスが悪いことが知られていることも大きい。行くのが面倒なスタジアムのうち6つのスタジアムが「試合後の混雑で帰宅に苦労しそうなスタジアム」でもランクインしていることも見逃せない。また行くのが面倒なスタジアムの上位3つのスタジアムは「アクセスが悪そうなスタジアム」でも上位3つに入っている。

上記2つのランキングの両方にランクインしているのはエディオンスタジアム広島だけとなっている。観光の魅力を感じる、しかし、行くのは面倒・・・というサポーターのジレンマが感じられる。エディオンスタジアム広島を除けば、観光を楽しめそうなスタジアムは「行くのが面倒」には感じない。やはり、アウェイ遠征と観光の魅力は切っても切り離せない関係にある。

 

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行くのが面倒な理由の1位は「最寄り駅からのアクセスが悪い」となっており、遠征全体の移動に要する時間よりも最寄り駅からのアクセスが重要であることがわかる。アクセスに関してはシャトルバスの本数増加やオペレーション向上により、サポーターの受けるイメージは大きく異なる。2位の「アウェイ(ビジター)席の環境が悪い」については、特に立ち見席が評価を下げているケースが多い。立ち見席は見やすさの問題よりも「座席確保のトラブルを起こしやすい」ことが問題視されている。

 

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横浜F・マリノスサポーターが「行ってみたら想像よりも良かった」理由は、特にスタジアム関係者に注目していただきたい項目。その中でも山梨中銀スタジアムを見てほしい。運営、スタジアムグルメ、さらには、距離の遠さを帳消しにするシャトルバスの運用で高評価を得ていることがわかる。山梨中銀スタジアムは「良い運営をするイメージのあるスタジアム」で3位にランクインしている。

山梨中銀スタジアムの例を見ると、アクセスの悪さや陸上兼用という条件があっても、オペレーションやコンテンツによって高評価を得ることができるということがわかる。全国のスタジアムが、サポーターにとって、より満足度の高いエンターテイメント提供の場所になることを願う。

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好きなアウェイスタジアムとは(2018) マリーシア感情的サポ論

北九州市、長野市、さらには今治市等の地方都市にサッカー専用スタジアムが新設され、全国でスタジアムが注目されている。2017年3月には、経済産業省の第2期スポーツ基本計画において、スポーツ市場規模を大幅に拡大するための施策として「スタジアム・アリーナ施設の改革」が発表された。では、集客装置となるスタジアムをアウェイから来訪するサポーターはどのように見ているのだろうか。横浜F・マリノスサポーターに絞って2018年2月にアンケート調査を実施。ランキング化してみた。

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まずはマリノスサポーターの「好きなスタジアム」から。

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ランキングのトップ10をサッカー専用スタジアムが独占した。やはり、臨場感を味わえるサッカー専用スタジアムの人気が高い。第1位はIAIスタジアム日本平。サッカー観戦だけではなく、観光地への回遊、清水港でのグルメ、そして富士山を望む絶景も人気の理由だろう。室町時代に描かれたといわれる「富士山曼荼羅」は、IAIスタジアム日本平の後ろの山の上からのアングルなのだそうだ(ブラタモリで放送)。スタジアムから眺める絶景だけでも、行く価値があり。この後で紹介するが運営が良いことも高い評価を得ている。2014年7月に実施したアンケートでも1位。今回も不動の地位を維持した。3位にはパナソニックスタジアム吹田がランクインした。近年の日本のスタジアムのモデルとなる話題のスタジアム。観戦しやすくLED照明を使用した演出にも人気がある。4位にフクダ電子アリーナ。2014年7月に実施したアンケートでは2位であったが約5%の得票を落としてランクを落とした。しかし、ジェフ千葉がJ2に降格し、長く、このスタジアムを訪問していない横浜F・マリノスサポーターが大半という環境を考えると、とても人気のあるスタジアムだということがわかる。

続いては、逆にマリノスサポーターの「嫌いなスタジアム」。

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圧倒的な得票率でランキングの第1位は等々力陸上競技場。しかし、第2位の味の素スタジアムの投票率を見ると22.2%となっており全体に得票率が低い。Jリーグのスタジアムに嫌われるスタジアムは少ないことがわかるが、等々力陸上競技場は例外となっているようだ。傾向としては、等々力陸上競技場、三協フロンテア柏スタジアム、Shonan BMWスタジアム平塚、キンチョウスタジアムと4つの立ち見席のスタジアムがランクインしていることが挙げられる。

「アクセスが悪そうなスタジアム」では興味深いランキングとなっている。

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第1位のカシマサッカースタジアム、第2位のエディオンスタジアム広島、第4位の埼玉スタジアム2002というオリジナル10のホームスタジアムに割り込むように、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場が第3位にランクインした。このスタジアムを横浜F・マリノスが使用することは稀だが、かつて2012年に天皇杯で使用された際のスタジアムを結ぶバスの本数の少なさや乗車後の大渋滞が、今も強く記憶されていることがわかる。一度ついた悪いイメージを払拭することは、なかなか出来ない。

「試合後の混雑で帰宅に苦労しそうなスタジアム」では、試合後にスタジアムから駅まで、もしくは幹線道路に出るまでの混雑がランキングに影響を与えているようだ。

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いずれのスタジアム名を見ても、大混雑の思い出が脳裏に蘇るだろう。

「良い運営をするイメージのあるスタジアム」と「悪い運営をするイメージのあるスタジアム」を見てみよう。

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まず、全体の数字を2つの表で比較すると「良い運営をするイメージのあるスタジアム」の方が多いことがわかる。上位には、IAIスタジアム日本平、ユアテックスタジアム仙台、山梨中銀スタジアム、Shonan BMWスタジアム平塚といったフレンドリーな運営スタッフに定評があるスタジアムがランクインしている。ボランティアスタッフ等の運営方針や研修クオリティがスタジアムの印象を大きく左右することがわかる。「悪い運営をするイメージのあるスタジアム」は全体に得票率が少ないものの、例外として等々力陸上競技場が独走し、唯一の「悪い運営をするイメージのあるスタジアム」となっている。ルールの表現が曖昧、同じ質問への回答がスタッフごとに異なる、といったクレームは、なかなか改善されないようだ。

これらのランキングを見ると、必ずしもハード設備だけでスタジアムの人気や評価が全て決まるわけではないことがわかる。ハード面では劣りながらも、運営等のこれまでの努力によって高評価のスタジアムが地方都市に存在することは、スタジアム関係者にとって励みになるのではないだろうか。私たちは、アウェイスタジアムを訪問することを楽しみにしている。

続いて行くのが面倒なアウェイスタジアムも見てみよう。

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他クラブサポーターには理解されにくい、マリノスサポーターの齋藤学移籍への反発はなぜか?マリーシア感情的サポ論

横浜F・マリノスで10番を背負った齋藤学が川崎フロンターレに移籍した。この移籍と移籍決定後の齋藤学のコメントに対して、サポーターやサッカージャーナリストから、多くの意見が発信されている。だが、この移籍の当事者である川崎フロンターレサポーターであっても、なぜ、ここまで横浜F・マリノスサポーターが反発するのかを理解しにくい。そこで、横浜F・マリノスサポーター側から見た移籍の経緯についてまとめてみた。

この移籍は、今後、各クラブでも発生する「(移籍金)ゼロ円移籍」によるトラブルの先行事例として記憶されるだろう。DAZNマネーにより、Jリーグには年間で10億円の補強をできるクラブが存在することになった。つまり、どのクラブの主力選手も、突然に、好条件を提示したクラブから引き抜かれる可能性があるということだ。各クラブは、引き抜きを防止することは難しい。これからの時代は、欧州と同じように、引き抜きをされた場合の損害を最小限にとどめる、もしくは、引き抜きによって主力選手を失っても、その損出を上回る利益を手にすることができる準備が必要となる。そんな契機となる移籍事例だ。

今回の移籍を横浜F・マリノスサポーターが問題視しているのは、移籍に至るまでの過去1年間の経緯についてが中心だ。前提として、横浜F・マリノスの主力選手のほとんどは複数年契約で、中には4年契約の選手もいることを頭に入れておかなければならない。報道によれば、同時期に浦和レッズへ移籍したマルティノスの移籍金(契約期間中の移籍による違約金)は3億円以上とされている。主力選手を引き抜かれたが、横浜F・マリノスは利益を確保している。これはマルティノスが複数年契約をしていたからだ。もし、マルティノスが契約満了で契約期間を終えるタイミングでの移籍だったら、移籍金(契約期間中の移籍による違約金)を浦和レッズは支払う必要がなかった。いわゆる「(移籍金)ゼロ円移籍」となる。

一年前のことを振り返ってみよう。齋藤学側はシーズン開幕ギリギリまで川崎フロンターレへの移籍をほのめかしながら横浜F・マリノスとの契約交渉を継続。当時は、中村俊輔の移籍問題がトラブル化しており、中村・齋藤の2枚看板を同時に失いたくなかった横浜F・マリノスは齋藤学側に譲歩し、未契約ながら「練習生」として齋藤学の練習参加を許し、契約交渉を並行して進めた。最終的には契約更新。そこで齋藤学の背番号10とキャプテン就任が発表された。しかし、この契約が1年契約であったことが1年後になって判った。つまり、1年後の「(移籍金)ゼロ円移籍」が現実化したことで、実際は1年前から1年契約による契約切れで場合によっては「(移籍金)ゼロ円移籍」をできる計画があったであろう「クラブ側が弱みに付け込まれた構図」が明らかになったことでサポーターが反発したという流れなのだ。当然のこと、また、その移籍先が、かねてから齋藤学が希望していた欧州のクラブではなく、一年前に移籍の天秤にかけていた川崎フロンターレであったことが、怒りの火に油を注いだ。移籍報道の中に「恩を仇で返す」という表現があるが、これは、隣町のクラブという関係性や、齋藤学が下部組織出身であるということよりも、一年前の譲歩に対する裏切りであるという印象が、横浜F・マリノスサポーター側には強い。

なお、移籍の際に所属クラブに悪印象を与える情報発信力に優れたことで有名な代理人のロベルト佃が、今回も齋藤側の代理人であることも重要な要素の一つだ。一年前に中村俊輔、榎本哲也が横浜F・マリノスから移籍。移籍決定前後に、横浜F・マリノスのクラブ運営を問題視する情報発信が相次いだ。また、遡ること9年前の2009年に移籍の発表直前に中村俊輔が方針を転換し、エスパニョールへの移籍を敢行。横浜F・マリノスの不手際ではないかという記事がメディアに大量に掲載された。特別仕様のユニフォームを用意し、地上波での生放送を組んでいたこともあり、横浜F・マリノスには大打撃。社長辞任にまで至る大事件となった。これらの事件を起こした選手の代理人は全てがロベルト佃。それゆえ、今回の齋藤学の移籍決定の際にも、横浜F・マリノスのクラブ価値低下につながる情報発信が齋藤学側から行われることを横浜F・マリノスサポーターは恐れた。

そのような経緯があるため、齋藤学を快く川崎フロンターレに送り出そうという声は極めて少数派となっている。横浜F・マリノスは、グローバルに活動しているサッカー事業グループであるCFG(シティ・フットボール・グループ)が経営に参加し、イングランド流の極めて客観的な選手評価を開始ししている。そのため、旧態依然とした選手とクラブとの関係を望む選手や代理人とは、評価やクラブ運営の方法を巡って衝突した。一年前の中村俊輔の移籍トラブルを通して、横浜F・マリノスサポーターは多くの経験をし、愛するクラブの将来と、選手契約のあり方について、欧州基準の考え方を学んだ。それゆえに、横浜F・マリノスサポーターの間では、驚くほどに、今回の移籍をめぐる意見に衝突が生まれるシーンが少ない。課題と解決方法がサポーターの間で共有されているのだ。Jリーグでは、今後、横浜F・マリノス以外のクラブで、同様の、契約期間を巡るトラブルが発生するかもしれない。齋藤学の移籍トラブルは先行事例であり。今後の、参考となるだろう。

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天皇杯2階の目線2017横浜1-2セレッソ

勝つためには90分間で決着をつける必要があった。勝負の分かれ目は、後半に伊藤翔が決定機にシュートをせず横パスをしたシーン。あのとき、セレッソ大阪の選手は、トリコロールが堅実なプレーを選択しチャレンジしてこないことに確信を持っただろう。一方で、トリコロールが1-0で勝利することは至難の技だった。だが、2点目を奪いに行くことができなかった。そこに限界を感じた。

延長戦の失点は実に飯倉らしい、飯倉の持ち味を存分に発揮したミスだった。あのミスさえなければ、あの場面で失点することはなかっただろう。ガラ空きのゴールであれば、小学生でも枠にさえボールを転がせば得点することはできる。とはいえ、あの場面で失点しなかったとしても、120分間を無失点で切り抜けることができたかというと、それは疑問だ。また、逆に得点できたかというと、それもわからない。ウーゴは走れず、ゴール前にボールを運ぶ意欲を示したのは、途中出場した前田と遠藤だけだった。それくらい選手の消耗が激しかった。

この負けが、重たい原因の一つは、強かったセレッソが万全ではなく7割程度のパフォーマンスに感じられるのにもかかわらず、トリコロールの選手たちが正面から撃ったシュートが僅かだったことにある。今シーズンの集大成にふさわしい結末だった。これが限界だったのだ。かつて、代表クラスの若い選手を揃え、1984年の元日に、名門ヤンマーを下して初タイトルを獲得したトリコロールは、その後10年間の天皇杯無敗。2年連続の三冠制覇。2年連続のアジア制覇、という黄金時代を築いた。残念ながら、新しいトリコロールは、その同じ階段を、今シーズンに登りきることはできなかった。来シーズンからの黄金時代再来の予感はない。志の道半ばで力尽きた。

天皇杯には「優勝しないと見えない元日の景色」があるといわれる。選手たちは、その景色を見ることができなかった。サポーターは、少し違った景色を見ることができた元日だったのではないだろうか。一年前は移籍をめぐる騒動に揺れていた。ビジネスを優位に進めたい多くの外部からは一方的な情報を数多く拡散された。サポーターの間でも意見の相違で軋轢はあった。対立も生まれた。春はギクシャクした季節。夏に方向性が定まり始め、秋は団結の季節。そして冬。ゴール裏のコアサポーターやコールリーダーがやりすぎないスタイルは、日産スタジアムに新しい風を吹き込みつつある。サポーターが個々に拍手や歓声で意図を示せる時間が増えていった。みなさんは、新春に一年間を振り返ってスタジアムで何を感じただろう。モンバエルツ監督の指揮した3年間に敬意を表す3種類のビッグジャージが揺れた。元日に各クラブが義務付けられたように行うコレオグラフィーはやらない。みんなでLフラッグをたくさん振ろう。誰かが決めたのではない、トリコロールのサポーターが、この一年間を歩み、学び、共有し、最後に選んだのが、この方法だったのだ。

マリーシアのメンバーは約40人が固まってゴール裏の上段で応援した。
「遠くからわざわざ元日に応援に来たなんてセレッソサポーターに言わせないぞ!」
優勝の後押しをするために、北海道、群馬県、栃木県、茨城県、新潟県、長野県、愛知県、兵庫県、島根県、長崎県、そしてベルギーからも仲間が駆けつけた。みんな同じ夢を見ている。これからも、同じ夢を見続ける。・・・だが、しばらくは、ぐっすりと夜に眠れる気がしない。それほどに悔しい。良い夢を見られるのはいつになるだろう。

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<様々な目線から捉えた試合>

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