世界一退屈な街から2022年に向けて

2011年4月13日

急な話ですが、
会社の指示で、
ドーハを離れることになりました。

こちらに来て1年5ヶ月になりますが、
この国の特徴は、娯楽が少ないことです。

地球の歩き方には「世界で最も退屈な街」
と書かれており、
世界一かどうかはともかく、
裕福な国の割には娯楽が少ないのは確かです。

プロスポーツチームも
オーケストラのような文化団体も、
美術館のような施設も
きちんと整備されていますが、
夏の気候があまりに過酷なため、
それらは全て11月から4月の半年間に集中し、
夏の半年間は、
ひたすら時間が過ぎるのを待つだけの生活になります。

人口の8割が外国人、
しかもそのほとんどは、生活に余裕の無いワーカークラスだということもあるのかもしれませんが、
プロスポーツも
文化事業も
地域に根ざしたものにはなっていません。

ワールドカップの招致が決まり、
アジアカップであれほど盛上ったにもかかわらず、
地元のサッカーリーグはほとんど無観客、
という事実がそれを物語っています。

お金を出して、
ブラジルvsイングランドの親善試合を呼んだり、
テニスの大会で一流選手がやってきたり、
アジアカップで外国の代表選手がやってくるような
注目度の高い試合があれば、
それには裕福な外国人(主に欧米人=白人)がやってきて、
チケットを取るのも一苦労、ということになりますが、
そうでなければ、
スタジアムはガラガラです。

つまり、
この国には、
文化がないのです。
確かに、
天然ガスが出るまでは、
世界で最も貧しい国のひとつでしたから、
誇るべき、残すべき文化も歴史もなかったのかもしれません。
それなのに、
天然ガスのおかげで
世界一のお金持ちの国になり、
では結局どうしたかというと、
スポーツイベントを金で買うようになったというわけです。

Jリーグが始まる前、
トヨタカップを日本でやっていた頃の様子に似ています。
プラティニの試合は満員でテレビ中継、アナウンサーが絶叫、
でも、JFLの試合は少ない観客で、
プロ選手は木村和司ただ一人。

その状況に似ています。

2002年のワールドカップのために、
日本がJリーグの開幕を起爆剤にしたように、
2022年のワールドカップを盛上げるためには、
カタールにも何か起爆剤が必要かもしれません。

しかし、
果たしてそれが何であるか、
そこに大きな課題があるように思います。

Qatar Stars League, Week20, Al Ahli vs Al Arabi @ Grand Hamad Stadium

2011年3月31日

歓喜の2022年W杯誘致、
熱狂の2011年アジアカップ
の後のカタールのサッカー事情はどうなのだろう、
と、カタール国内リーグを観戦してきました。

実は、
カタールリーグを観戦するのはあまり簡単ではありません。
なにより、情報が少ないので、いつどこでどこの試合があるのかサッパリ分かりません。
クラブのWebサイトもリーグのWebサイトも全く更新されず、
去年の試合結果をLatestと載せていたりします。

僕の場合は、
http://www.goalzz.com/main.aspx?c=5946

このサイトを見て、スタジアムの写真や緯度・経度でグーグルマップを確認したりして観戦に行きます。
(ちなみに、書かれている時間は、GMT=ロンドン時間です。ドーハ時間はこれに3時間をプラスします)

この日の試合は、
現在リーグ4位のアル・アラビと最下位で降格が確実視されているアル・アリの試合です。

アラビは、Jリーグファンから見ると馴染みのあるチーム、
監督がシャムスカ(Chamusca)で、エースストライカーはカボレ(Cabore)です。(こっちではカボーレって発音してます)
会場は、Grand Hamad Stadium。
私が住んでいるレジデンスからわずか徒歩5分のところにあるスタジアムです。

職場から車で向かっているところです。この交差点を右に曲がった角が、私のレジデンスです。

こんなスタジアムが住宅地の中にあります。ずらりとランクルが並んでます。

チケットは10QR=230円です。

チーム名も日にちも書いてありません。半券も切られません。
おそらく使いまわしです。

試合開始は18時15分。
職場を17時半に出るつもりが、仕事が長引いてやっと18時ごろに出られたので、
スタジアムに到着したのは、開始10分ぐらいのところでした。

スタジアムの様子はこんな感じです。
これ以上、観客が増えることはありませんでした。
1000人は入っていないと思いますし、何より驚くのは女性が一人もいないこと。
相変わらずフットボールは男性のもののようです。

中東の応援は、
この動画にあるように、太鼓のようなものを叩いたり、ラッパのようなものを鳴らしながら、
永遠と演奏をしたり歌をうたったりするもの。
選手のコールをすることはありません。

真ん中でお腹に手を当てているオジサンがコールリーダーです。
その手前で太鼓隊がずっと応援を続けています。

シャムスカ監督は、
大分時代と変わらず、ラインギリギリのところから選手に声をかけ続けます。

大分時代と異なるのは、ジャージじゃなくてアラビカラーのえんじ色のシャツを着ていること。
今は涼しくて上着を着ているので目立ちませんが、
シャツだけの時は、ちょっと・・・という感じでした。

さて、ゲームです。
試合は終始、上位のアラビが支配します。
きちんと中盤からパスをつないでくるアラビに対して、
アリはブロックを固めて速攻を狙いますが、
連動性のある動きを続けるアラビからボールを奪うことが出来ませんし、
速攻もストライカーの精度が低く、シュートに至らないか、枠に行きません。

真ん中の、赤の8番がカボレです。
このCKのこぼれだまを別の選手が押し込んで、アッサリ先制します。

さらに、このあと、カボレが見事なヘディングシュートを決めて2-0とします。

カボレには移籍の噂でもあるのでしょうか、
ゴールの直後に、アラビファンが「カボレ、行かないで」というゲーフラを掲げます。
ピッチまでの距離がものすごく近いので、選手にも見えているはずです。

前半ロスタイムに選手が痛んでいる間、シャムスカとカボレがなにやら話しています。

ハーフタイムにはいろいろとスタジアムの中を徘徊してみました。
ドーハでは売店のようなものはありません。

こんなオジサンから、ヒマワリの種を買って食べるのが中東流。
試合終了後は足元にヒマワリの殻がたくさん転がっています。

アリのファンは、チームカラーの緑色のピエロのような帽子をかぶって観戦しています。
20名ぐらいでしょうか。

アラビのファンはおそろいの赤いベストで観戦です。

アラビ側のコーナーポスト付近からのスタジアムです。
本当にこんな程度にしか観客がいません。

スタジアムのコンコースです。空調が利きすぎていて寒いぐらい。

スタジアムの中にモスクがあります。

さて、後半が始まりました。
後半は、アラビの応援席から離れて、アリ側のコーナーポスト付近へ移動。

コーランが流れている間は、鳴り物での応援も控えるようです。

圧倒的にアラビが支配しているので、こっちに来た方が近くて楽しめる、と思ったのですが、
後半の最初は負けているアリが積極的に攻めて行きます。
アラビとしても無理して攻める必要はありませんので、
ちょっと判断が裏目に出ます。

カタールのサッカーのレベルはそれほど低くはないと思います。
原則としてボールに集まるゴチャゴチャサッカーなのですが、
当たりは激しいし、運動量も豊富です。

とにかく縦への意識が強いので、観戦していて満足度は高いです。
負けているのに、横パスを回すというようなことはありません。
パスを出せなければドリブル、とにかく徹底しています。

つまりJリーグとは全く異なるスタイルのサッカーをします。
日本代表が格下の中東のチームに苦しむことが少なくないのは、
このスタイルの違いに慣れていないということがあると思います。

後半の最初、アリが攻めますが、シュートに至りません。
ボールのないところでの動きが少なく、前線で飛び出すような動きがないために、
アラビのDFは安心してボールホルダーを囲みにいけます。
結局、終了間際の一本しかシュートが枠に行かなかったように思います。

そうこうしているうちに、
カボレのフワっと浮かしたパスからバックヘッドで3点目、

さらには、カボレの飛び出しにスルーパスが出て、ワンタッチで今日2点目。
勝負ありました。

アリにも惜しいチャンスがあって、1対2のカウンターで抜け出せそうな場面があったのですが、
プレーと関係ないところで両チームの選手が小競り合い、双方にイエローカード。
せっかくのチャンスをフイにしてしまいました。もったいない。

4-0でアラビが勝利しました。
カボレは2得点、1アシストの大活躍です。

試合が終わると、
じつにアッサリとみんな帰ります。
選手も挨拶に来ませんし、観客もすぐ帰ります。
試合終了後の数分後にはビジョンの電源が落ちます。

なんともアッサリしたものです。

帰りがけのファンにテレビがインタビューしていました。

2022年までには、
カタールは意地でも自力でW杯出場を果たさないといけないと思いますが、
それには、国内リーグの活性化が不可欠。
こんな無観客試合のようなスタジアムでは、
心配です。

サッカー人気自体は高くて、
テレビでは常時数チャンネルで欧州主要リーグを中継しているのですから、
それを国内リーグにつなげたいところですが・・・いろいろと課題が多そうですね。

東日本大震災で被災された皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます

2011年3月30日

東日本大震災で被災された皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

一日も早く
フットボール、そしてJリーグを楽しめる日が来る日を、
心からお祈りしております。

2011年、Jリーグ開幕に寄せて

2011年3月4日

明日から、
いよいよ待ちに待ったJリーグが開幕します。

2009年11月にこちらに赴任した僕としては、
2010年シーズンに続き、
海外で迎えるJリーグ開幕も二度目になります。

フットボール自体は、
カタールで最も人気の高いスポーツで、
うちのレジデンスでも常時10チャンネルぐらいでフットボール中継をやっているのですが、
当然のことながら、
よっぽどのことがなければJリーグ中継はありません。
ACLでJリーグのチームが中東のチームと対戦すれば中継の可能性がありますが、
それはJリーグ中継ではありませんし、残念ながらマリノスにはそのチャンスもありません。

そういう環境で、
僕がどのようにマリノスの試合を観戦しているか、
というと、
試合中はJリーグの速報サイトとツイッターの#fmarinosハッシュタグで確認。
試合終了後にYoutubeでどなたかがスカパー(と思しき)ダイジェストをアップしてくださるの待ってそれを確認。
というスタイルになります。

地上波で中継がある場合は、
Keyholeで見ることも出来ますが、
土曜日、日曜日は中東では勤務日、
試合時間中はまさに勤務時間中ですから、
さすがにそこまではできません。
(日本とは6時間の時差があります。土曜日14時キックオフはこちらでは土曜日朝8時キックオフになります)
(勤務時間中にJリーグのサイトとツイッターを見ていることはナイショです。これも本当は良くないですね)

そういう観戦スタイルです。
大変申し訳ないのですが、
おそらく帰任するまで、ほとんど日産スタジアムに足を運ぶことは出来ないでしょうし、
マリノスのためにグッズを買ったりすることもしないでしょう。
#でももしドーハでマリノスのレプリカユニが売っていたら嬉しくって買ってしまうでしょうけど。

つまり、
何が言いたいかといいますと、
こんな遠く離れた海外からマリノスを応援している人がいることを知って欲しいのと、
試合終了後にダイジェストをアップしてくださる人に今後もよろしくお願いします、感謝しています、と伝えたいことと、
試合中はできるだけ詳しくツイートしてくれると、試合内容が目に浮かぶので助かります、
ということです。

こんな環境でも、
やっぱりJリーグ開幕はワクワクします。
今から24時間後が楽しみです。
今年こそ、優勝しましょう。

2022 Qatar World Cup, Summer? or Winter?

2011年2月25日

カタールトリビューン、今朝の一面の右隅にあった記事です。
http://www.qatar-tribune.com/data/20110225/content.asp?section=first1_2

短い記事なので、そのまま転載します。

Emir to ‘ask people’ on WC schedule

AP

DOHA THE EMIR His Highness Sheikh Hamad bin Khalifa al Thani will “ask the people” of his country on whether to hold the 2022 World Cup in winter to avoid the intense summer heat.

The statement on Wednesday by HH the Emir suggests there’s still an option to shift the tournament despite FIFA President Sepp Blatter saying earlier this month that it was fixed for summer.

“We will ask the people what they want,” HH the Emir said after talks with British Prime Minister David Cameron.

He did not elaborate on when or how he would seek their views.

Qatar was the surprise winner to host the 2022 tournament, beating out rival bids from the United States, Australia, Japan and South Korea in December.

Qatar’s proposal calls for air-conditioned stadiums and fan areas.

Prime Minister and Minister of Foreign Affairs HE Sheikh Hamad bin Jassim bin Jabor al Thani, however, said he knew little about the sport.

“I do not know the rules,” he said.

“I like sport, of course, but I am not involved in sport.”

(転載終わり)

2022年のワールドカップが決まったカタールですが、
こちらの真夏は40度は当たり前、
50度に迫る日もあるぐらいで、
夏には15分と外を歩けません。

実際、
真夏の昼間は、外での労働を法律で禁止しているほどです。

Qatarとしては、
スタジアムは冷房してピッチの中は25度にする、と言っていますが、
これがエコロジーに逆行しているのも明らかですし、
何より、
スタジアムに入る前に、暑くて倒れる観客が続出することが予想されます。

そこで、
これまでも開催を冬に動かす案が浮かんでいるのですが、
とうとう、
ハマド国王がこの問題について言及しました。

国民に意見を聞いてみたい、
ということがどこまで意味があるのか分かりませんが、
ハマド国王の意見は絶対の国ですから、
ちょっと意外な展開があるかもしれません。

それにしても最後の一文、
首相兼外務大臣の言葉は別に紹介しなくてもいいと思うのですが・・・(笑

ITTF Qatar Open Table Tennis @Qatar Sports Club

2011年2月11日

カタールスポーツクラブで、
卓球のプロツアーがあると言うので行って来ました。

出場選手を見てみたら、
福原愛選手もいるではありませんか。

ということで、
日の丸を持って行って来ました。

Qatar Sports Clubは、
先日、サッカー日本代表が、グループリーグでヨルダン、シリアと戦った会場です。
カタールのサッカーチームは、
サッカーだけではなく、
ハンドボールやその他のチームも保有していて、
サッカークラブチームというよりは、
地域のスポーツクラブ、
そのサッカー部、
というような体裁を取っております。

アルビレックス新潟のような感じかもしれません。

そのため、
そこにはスタジアムだけでなく、
体育館や練習グランド、クラブハウスも併設していて、
いわば、
三ツ沢球技場+マリノスタウン+文化体育館
というような感じになっています。
#ということで、フットボールネタではありませんが、ご容赦を・・・(笑

スタジアムに隣接して、

おそらく普段はハンドボールに使われるのであろう体育館で試合をやっていました。

(こんな看板が1枚立っているだけです。国際大会なのに・・・)

(すぐ横には、こんなマッタリ絨毯スペースが・・・テレビと卓球台も置かれてます)

卓球の試合会場に行くのは初めてなので、
どういう形式が一般的なのか分からないのですが、
ハンドボールコートが8つのスペースに区切られ、
それぞれ同時進行で試合が行われます。

(こんな感じの広さです。2000人も入らない感じですね)

お目当ての福原愛選手の登場です。

福原はランキング10位、対するロシアの選手は100位以下ですから、
圧勝が予想されたのですが、
最初は相手にリードを許します。

5点ぐらい取られたところから、
ペースが出てきて、
逆転した後は1セットも失わずに勝ちました。

福原は安心して観ていられたのですが、
同時間にやっている、
森薗選手が大接戦です。
相手は48位の韓国の選手、森薗は68位、
観た感じでは、
同じようなタイプの強打の選手同士、
ランキングも近くて接戦です。
結局4-0のストレート負けなのですが、
そのうち3セットがデュースまでもつれる大接戦、
悔しい敗戦になってしまいました。

早く終わったテーブルから、
空席になって次の時間の試合まで誰もいなくなるのですが、
3番テーブルがいつまでもやっています、
これが面白い。

福原や森薗のようなすばやい攻撃をするタイプではなくて、
両方とも、回転をかけて返すようなタイプなので、
そういう言い方は失礼なのですが、
観ていて何ともユーモラス。
痺れを切らしてスマッシュで攻撃した方が負けるという試合で、
こちらも見ていて面白い。

動画をアップしました。こちらもぜひご覧ください。
それからこちらも。

結局、
この三試合だけ見て帰ったのですが、
観客が少ないこともあって、
選手達が
観客席で一緒に見ていたりするんですよね。

福原選手も、
体育館をすぐ出たところで、
地べたに座りながら選手同士で談笑していました。

生観戦は初めてでしたが、
スポーツは本当に面白いですね。

AFC Asian Cup Qatar 2011 Final Japan vs Australia @ Khalifa

2011年1月29日

いよいよ決勝戦。
決勝戦を前にして香川の怪我離脱が報じられます。

これは困る。
対戦するオーストラリアはおそらくガッチリゴール前を固めるロングボールチーム。
香川のワンツーのような突破が効く筈です。

それでも不思議と

負ける気がしません!

我らが日本代表は、
「もうダメだ」と思った瞬間から、
何度もミラクルを起こしてきました。
日替わりヒーロー、しかも交代選手。
誰が出ても、その選手が活躍するような気がします。

決勝を前にして、
冷静に日本代表を分析してみます。
今大会、絶好調なのが、長友と岡崎。
右サイドの内田が攻守にわたって精彩を欠いているので、
この2人の運動量が生命線です。

一方で動きに不満があるのが遠藤。
厳しい相手になると、どうしてもセーフティに動いてしまうのか、
ファーストチョイスがバックパスか横パスになって、推進力が失われます。シュートしないのも不満です。
両サイドのスプリントを無駄にしてしまうことが多いのです。

本田が持ちすぎるのは良し悪しで、上手くためが作れてひきつけて良いパスが出れば、
韓国戦の前田のゴールのようになるけれど、持ちすぎているところを狙われています。
出切るだけゴールの近くで本田にボールを預けたいところです。

交代選手の数は多いけれど、
実はチョイスが少ない、というのがザックジャパンの弱点。
サイドの選手に代わりがいませんし、FWの選手も前田、岡崎と比べると見劣りします。
交代選手が活躍する割には、ジョーカー的な動きになっているとは言い難いのです。
守備の選手を入れて、本田を一列上げる、というような交代ぐらいしかカードがないのが、
交代が遅くて少ない理由だと思います。

自宅を出る前に、William Hillというブックメーカーのサイトをチェックしました。
オッズは全くの互角、日本勝利2.75倍、90分引分3倍、AUS勝利2.75倍。
得点別でも、日本1-0勝利と0-0引分けが6.5倍、ついでAUS1-0勝利と1-1引分けが7倍です。
得点者オッズでは、日本側では前田3.5倍、本田4倍、AUS側ではケーヒル3.5倍、キューウェル4倍とこちらも全くの互角です。

さて、
試合です。
決勝戦は唯一4万人収容できるKhalifaです。
「シリア狩り」アシシさんのツイートから、前日のプレスセッションでは、
自由に席を移動して応援できるらしい、と聞いていましたが、
ここはカタール、何があるか分かりません。

毎年11月に一流国を呼んでフレンドリーマッチをやるのですが、
2009年のBRA vs ENGでも、2010年のBRA vs ARGでも、
チケットはあるのに、入場制限されて入れない、というようなことがあったように、
ここカタールでは何があるか分かりません。

念のために、アシシさんに、日本人会は共同購入しているからある程度席がまとまっていることを連絡して、
試合開始の3時間前、15時に会場入りすることにしました。

110129_01_JPN vs AUS_Khalifa Stadium

Khalifaは、Villagioというショッピングモールの隣にあります。

110129_02_JPN vs AUS 110129_03_JPN vs AUS 110129_04_JPN vs AUS

さすがに3時間前だとガラガラです。

でも写真には写ってはいませんが、左側のゴール裏には、動員されたと思われる団体が日本の旗を持っています。
双眼鏡で見てみると、フィリピン人かインド人のように見えます。

自由席のはずなのに、
会場のセキュリティは指定されたところに座れ、と言います。
前日のプレスカンファレンスで自由席になったはずだろ、と言っても聞く耳を持ちません。

今考えれば、

この瞬間からサポーターも闘っていたのです!(笑

日本人会は共同購入していますから、ある程度まとまって座ることが出来ます。
アシシさんともスタジアムで合流して、
じゃあ、この日本人会のいるバクスタ左コーナーポスト付近に応援団も集まるようにしましょう、
ということにします。

早く入場したので、共同通信社の人が、とりあえず写真を撮りましょう、と写真を撮ってくれました。
(ちゃんと記事になっていました。嬉しい!)

110129_05_JPN vs AUS

(ものすごく水撒いてます。パスサッカーの日本にとっては有利?)

キックオフの1時間前になると、もう7割がた埋まってきました。

110129_06_JPN vs AUS

110129_07_JPN vs AUS

(こんなプラカードを持っているインド人もいます。誰に頼まれたのでしょうかw)

110129_08_JPN vs AUS

(キャラクターの向こうの観客席の混み具合に注目ください)

110129_09_JPN vs AUS

(試合前には、高知からやってきた「ほにや」というよさこいグループが演技しました。隣にいるのはアボリジニ?)

17時15分ごろから、
何となくジリジリと移動して、コールリーダーのところに集まってきました。
カメラマンも増えてきます。
みんな思い思いのゲーフラを掲げます。
僕はシリア戦の後に、後ろの席の人にもらった日の丸を、
妻は「頑張れ日本!」と書いてあるゲーフラを掲げます。

しばらくしたら、
警備員が、僕らのゲーフラを取上げに来ます。
英語かアラビア語で書かれていないものは全て取上げるつもりのようです。
妻も取上げられました。

「僕たちは、シンジてる」のゲーフラを掲げたアシシさんは、
取上げられないように、no problemとかゴニョゴニョ言いながら逃げ切ります。
(うまいなあ・・・

17時半ごろ、後からやってきたオージーが、
「ここは俺の席だからどけ」、と応援団のグループの真ん中に座ろうとします。
みんな集まっているんだし、ここよりも別のところがいいと思うよ、
と話しても、「ここがオレの席だ、どけ」の一点張り。

確かに彼らに理がありますし、警備員は最初から指定席だと言って譲りませんでしたから、
僕らはポジション争いに負けて、別のところに移動を余儀なくされます。

さらにこの頃、
スタジアムの外ではゲートが締め切られて、
チケットがあっても入場できない、という事態になっていたようです。
確かにスタジアムは超満員。
4万人収容のところに、37000人も入っていて、
後日談ですが、しかも外に5000人とも1万人も言われる人が入れなかったと聞きました。
(Gulf Timesの新聞記事では700名だとか)

このようにスタジアムのいろいろなところで僕らも闘いながらキックオフを迎えました。

110129_10_JPN vs AUS 110129_11_JPN vs AUS

(ベンチには怪我で帰国した選手達のユニが掲げられています)

スタメンは、香川に代わって、藤本が入りました。

     川島
内田 マヤ 今野 長友
  遠藤 長谷部
 藤本 本田 岡崎
     前田

審判はウズベキスタンのイルマトフさんが勤めます。
現時点で西村さんと並ぶアジア最高の審判。
この人ならば不満はないでしょう。

ファーストファール、ファーストカードが焦点になります。
これまで日本はレッドカードとPKに苦しめられてきたから、
イルマトフさんの笛の基準をまずチェックしなければ、
パク・チソンを倒して与えたPKのようなことを繰り返してしまいます。

試合は、
終始、AUSの優勢で進みます。
噂とは異なり、中盤のプレスがきついため、
日本チームはほとんど前に向けません。
遠藤のところでパスカットされ、そこからロングボールを入れられます。

内田は今日も良くありません。
攻撃参加しても、クロスは手前のDFに止めらるか、ワロスになってファーでタッチを出ます。
守備のポジショニングも相変わらずです。

AUSの攻撃には厚みがあります。
中盤からパスが出る、フィジカルで強いキューウェルかケーヒルがキープして二列目がサイドに流れて、
連動した動きで崩してきます。
幸い、最後のところでDFが身体を張って得点は許しません。

ロングボール、FK、CKは全てピンチです。
ヘディングで競り勝つことは無理で、
何とか身体を入れて自由にさせないようにしますが、韓国戦の失点のように、こぼれ球のケアまでは出来ません。
いいところにこぼれてしまったら、即失点です。

岡崎と前田が前線から守備をしなければなりません。
DFラインからでもロングボールを入れられてしまえば、それは即ピンチだからです。

イルマトフさんは、
ビックリするほど笛を吹かず、
カードも全く出ません。
プレーを出切るだけ止めず、AUSの明らかなハンドも見逃します。

AUSの攻撃が激しさを増します。

何度も突破されて、枠を捉えられ、抜け出されて川島と1対1の場面になります。
でも失点しません。
韓国戦の余韻なのか、川島がまさに鬼人のように立ちはだかり、
失点を許しません。

まさに守護神!

しかし、
いつ失点してもおかしくありません。
そして、失点した瞬間、きっと一気に3点ぐらい入れられそうな試合展開です。

日本の攻撃は、左サイドが中心です。
内田が不調、さらに藤本も機能しない、ということで、岡崎が左に流れて長友と二人で崩していきます。
岡崎の惜しいシュートもありましたが、枠の僅かに右側、捉えられません。
マッチアップしている8番のSB、攻撃は素晴らしいのに守備があまりに軽いので、
何度も長友がサイドを切り裂きます。

ザッケローニが早めにカードを切ります。
機能していなかった藤本を後半11分に下げ、岩政を入れます。
ロングボールに強い岩政を入れて、
今野を左SBにして、長友を一列上げて、遠藤がバランスを取ります。

いい交代です。

これで、長友がさらに攻撃的になります。
岡崎と長友、本田の運動量が目立ちます。
最前線から守備をして、日本ボールになれば3人で全力疾走して、
何とか崩そうとします。

支配するAUSに対して、日本は速攻でしか攻め手がなくなります。
そして、
後半30分ごろから岡崎がガス欠になります。
DFラインの後ろのオフサイドポジションから走って戻って来れなくなります。

それでもザッケローニはまだ手を打ちません。
あっという間に90分が終了し、
延長戦に突入します。

110129_12_JPN vs AUS

(円陣を組んで延長戦に向かいます)

日本の攻め手はありません。
岡崎はクタクタ。長友も歩いています。本田が前線でキープしても、誰もフォローにいけません。
何度もロングボールが入り、その都度に悲鳴が上がります。

延長前半で前田に代えて、李忠成を入れます。
フレッシュな忠成が、岡崎や長友の分も走れよ、
と思うのに、中途半端なポジショニングを取って、まったく守備をしません。
それもFWの駆け引きだ、というのは頭では分かっていても、
あの岡崎の頑張りを見ていたら、
今はクリアボールを本田に当てるぐらいしか攻め手がないのだから、
オフサイドポジションをちんたら歩くんじゃなくて、
せめて相手のDFラインからのロングボールを防ぐようなスペースを埋める動きぐらいしろよ、
と腹が立ってきて、思わず、

「チュンソン、手を抜かずに一生懸命走れよ」

と叫んでしまいました。

そして、その直後に、遠藤からゆっくりとしたパスが長友に。
長友のスプリントで8番は軽く交わされ楽々センタリングします。
ニアに岡崎、岡崎に3人ついているために、真ん中の忠成がフリーです。

あー、ドフリー!!!決めろ!!!

まるでアニメのようなボレーシュートを忠成が決めます。

伊野波のときもそうでした。
僕がネガティブに叫ぶとその選手が点を取ります(笑

あとで映像を見てみたら、
あの瞬間だけ、集中力を切らしたかのように、3番がフラーっと忠成のマークから外れてしまいます。
彼は何もせず待っていただけ。
3番にしてみれば、悔いても悔やみきれないミスでしょう。
それでもリードしているのは我々です。

残り時間はまだ10分。
ロスタイムもあるかもしれません。
前の列のサポーターは、
もう勝った、勝ったと安心していますが、韓国戦を見ていた僕らはそんな安心が出来ません。

集中!集中!最後まで油断するな!

と、僕は声をからします。

最後の最後、ロスタイムで、
岡崎がPAのすぐ外でハンドをとられます。
えー、今まで全然ハンドなんてとらなかったのに、厳しすぎるよ、
と不満をもらしますが、
なんとかここをしのぎきってタイムアップ、
日本が優勝しました。

110129_13_JPN vs AUS

(試合直後の様子です)

110129_14_JPN vs AUS

(長友が香川のユニフォームを持っています)

110129_15_JPN vs AUS

(いい光景です)

そして、表彰式が始まりました。
紙ふぶきが舞い、
花火が盛大に上がります。

110129_16_JPN vs AUS 110129_17_JPN vs AUS

http://www.youtube.com/watch?v=uAcZqYjhRnk
(動画もご覧ください)

選手達もアジアカップをもってやってきます。
嬉しい瞬間です。

110129_18_JPN vs AUS

(本田が他の選手より先に挨拶に来ます。もしかしたらみんなより先にスタジアムを離れて、モスクワに向かうのかな?)

110129_19_JPN vs AUS

(選手が次々と看板を乗り越えてサポーターの近くまでやってきます)

110129_22_JPN vs AUS

(長谷部はアジアカップをサポーターに渡そうとしましたが、観客席との間に溝があって断念。でもその気持ちが嬉しい!)

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(ザッケローニがアジアカップを掲げます)

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(ザッケローニにとっては生まれて始めての胴上げ?)

声がかれ、
膝も腰もお腹もクタクタに疲れて痛くなりながら、
スタンドで、
この幸運をかみ締めていました。

仕事でドーハに赴任して、
その地で偶然アジアカップが開催され、
こんなミラクルな勝ち方で、日本が優勝する。
毎試合、毎試合、本当にシビレる試合ばかりで、
2試合分ぐらい応援したように疲れる。
最後まであきらめないこと、
誰もが普通に言うけれど、なかなか実行できないことを、
僕らの目の前で見せてもらって、
こんな幸運、もう一生ないのじゃないか、
そして、僕はこの場所で日本の優勝の瞬間を目の当たりにしたことを、
一生誇れるんじゃないか、と
感謝の気持ちと達成感で一杯になりました。

ありがとう

って言葉じゃ足りないけれど、
この言葉しか出てきませんでした。

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煌々と輝く夜のスタジアムが、
いつまでも僕らの幸運を祝福していました。

AFC Asian Cup Qatar 2011 SF Japan vs Korea @ Al Gharafa

2011年1月25日

劇的な勝利で準決勝に進んだ日本の相手は、宿敵韓国。

彼らの準決勝のイラン戦は、
平日だったために、
テレビでもあまりチェックすることが出来なかったのですが、
ダイジェストを観る限りでは、
非常にレベルの高いもの。
延長になっても
運動量が衰えず、
スピードが豊かで、
ワンタッチでつないでいく素晴らしいサッカー。

正直言って、
日本-カタールの試合よりも、
ゲームレベル自体が高い。

日本は相変わらずDFが安定せず、
サウジ戦では完封したものの、
カタールにも2失点。
韓国のフィニッシュの精度はあまり高そうではありませんが、
これは相当数のピンチを迎えることが容易に想像できます。

日程は、
日本が中3日なのに対して、韓国が中2日と有利なので、
前半チャージしてくるであろう韓国の攻撃をガマンしていれば、
終了間際にはチャンスが訪れるだろう、
どこまでDFがガマンできるか、
が勝負の分かれ目になるなあ、と思っていました。

平日、火曜日の16時25分キックオフ。
場所は、前回と同じGharafa。
何とか、会社を抜け出して、
今日も、コールリーダーの近くに場所を確保します。

110125_01_JPN vs KOR

中東から遠く離れた日本と韓国の試合なので、
スタンドはガラガラだろうな、
と思っていたのですが、
スタジアムに入ってみると、
インド人の学生達がご招待されていたようで、
スタンドの上の方を埋め尽くしています。
(結局、25000人収容のところを16171人でした。)

日本のスタメンは、内田が戻ってきてこれが右SB。
岡崎は豊富な運動量で、
すっかり日本の攻守に欠かせない存在になっています。
前回退場したマヤに代わって岩政で、ほぼ予想通りのメンバーです。

      川島
内田 岩政 今野 長友
   遠藤 長谷部
  岡崎 本田 香川
      前田

対する韓国、
注目は勿論、
現在アジア最高の選手の一人、7番のパク・チソン。
去年の夏にマリノスへの移籍が噂されていた、16番のキ・ソンヨン。
得点を量産している、13番のク・ジャチョル。
そして、長友とマッチアップする、超攻撃的SBの22番、チャ・ドゥリ
です。

主審はサウジアラビア、副審はイランの2人、第4審がカタール人、
という、日韓に敗れた中東の国々です。

立ち上がりは、
ともに静かなスタート。
韓国も疲労を考えたのか、
あまり激しく来ません。

最初のチャンスは日本、
遠藤-本田のワンツーから長いボールをスペースで受けた長友が、
DFを振り切ってクロスをあげます。
これが岡崎の頭にドンぴしゃりだったのですが、
GKがはじいたボールはポストに嫌われてしまいます。

その直後に、
ロングボールを競っていた今野が、
パク・チソンを倒してPKを与えてしまいます。

これはいかにも厳しい判定。
肩で当たっただけなのに、
簡単に倒れるパク・チソンにも少しガッカリ、というより、
倒れ方上手だなあ、
でも、あれくらいで取るなよ、と思います。

このPKをキ・ソンヨンに決められ、
またもや早い時間に失点してしまいます。

この日の審判は、
とにかく厳しく取る。
しかもスタンドからの印象では、
どうも韓国寄りの笛が多い。

ヘディングの競り合いではほとんど笛が鳴る印象。
日本が少しでも手を使うと、
必ず笛が鳴るのに、
韓国のバックチャージには取らない、
というように見えました。

まだ時間はありますが、
日本も積極的に行かざるを得ません。

日本の得点は失点の13分後、
すぐに生まれました。
本田が左サイドを駆け上がり、
ディフェンスを3人引き連れます。
一瞬、止まる様な動きをしてから、遅れて、絶妙のスルーパスを長友へ。
長友は、チャ・ドゥリを振り切ってPAに侵入。
マークを外した前田にマイナスのパス、
前田はそれを確実に押し込む、
という完璧なゴール。

本田のキープ力、
長友のスピード、
そして前田の動きが
完全に連動したゴールでゲームを振り出しに戻します。

キ・ソンヨンの猿真似パフォーマンスも、
ゆりかごパフォーマンスも、
スタンドからは全く見えません。
こっちはこっちで大喜びの大騒ぎなので、
パフォーマンスを見ている余裕なんてありません(笑

それにしても、
選手達は得点したら真っ先にサポのところに来てくれないのかなあ、
と思っていたのですが、
どうやらコーナーポストのカメラに向かっていたようです。
ちょっと寂しい・・・

これで日本が勢いづきます。

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しかし、
むしろ敵は審判です。
後半に入ると、
すぐ笛がなって、プレーが途切れてしまいます。
応援席も、
フラストレーションが溜まってしまって、
目の前で内田が軽いチャージでファウルを取られた瞬間に、
ガマンできずに立ち上がって
審判にブーイングを始めてしまいました。

周りのファンも
フラストレーションが溜まっていたのでしょう、
あっという間に伝播して、
ものすごいブーイングになってしまいました。

そして、
延長前半7分に、
連動した動きから、最後スルーパスを受けようとした岡崎を倒してPKを得ます。

倒したプレー自体は、ファウルだと思いますが、
岡崎を倒した位置はスタンドから見てもPAの外。
それでも、
審判はPKにしてくれました。

ブーイングが効いた!

と勝手に誇らしい気分です。
(そんなの誇ってはいけないのですが・・・(笑

PKは、
またもや本田が真ん中に蹴って止められますが、
その跳ね返りを、
誰かが猛スピードで突進してきて押し込みます。

誰だか分かりません。
場内ビジョンの映像で見てやっと、
細貝!
と分かりました。

また、
交代選手の得点です。

カタールのメツ監督の選手交代も素晴らしかったですが、
ザッケローニも交替した選手が結果を出すのですから、
「控え選手も一緒に闘っている」、という監督の言葉に真実味が出ます。

リードしたとは言え、
まだ20分以上あります。
韓国が前に出てくるでしょうから、
カウンターで2点差にして、
試合を決める必要があります。

ザッケローニは、
前田を下げて伊野波を入れます。
前の試合を見ていれば、
さすがにサイドをやらせることはないでしょうから、
伊野波、岩政の鹿島コンビで中央を固め、
今野をアンカーにしてバイタルをつぶす作戦だな、
さすがだなあ、
と思っていたのですが、
布陣はほぼ5バックのような様相です。

おい、まだ15分以上あるぞ、
と思いつつも、
本田と岡崎でコーナーキープなんかをしていると、
何だか、このまま余裕で逃げ切れるような気がしてきます。

主審は相変わらず細かくFKを韓国に与えていきますが、
キ・ソンヨンのキックが微妙なところで全く枠を捉えられません。

110125_03_JPN vs KOR
(長谷部が痛んで、本田拓に交代します。)

しかし、
最後の最後のFK、
これだけが良い所に入りました。
ファーで折り返されて、
シュートのこぼれだまを押し込まれてしまいます。
悔やんでも悔やみきれない失点。
油断があった、と思われても仕方ないでしょう。
僕も大丈夫だと思い込んでいました。

その直後に、延長も終了。
PK戦になります。

最後のワンプレーで追いつかれて、
日本選手たちは、
呆然と、
膝を抱えて座り込んでいます。
応援席も、
意気消沈です。

一方、
韓国側は、自慢のビッグフラッグが踊っているのが見えます。
まるで、もう勝ったかのような喜びようです。

やばい、
精神的に負けている、
これじゃダメだ、
これからPK戦なのに・・・
と思っていたところで、
コールリーダーが拡声器で声を掛けます。

「俺達が声出して、気落ちしている選手達を勇気付けましょう」

そこからは、
みんなで「バモ・ニッポン」、「カワシマ」の繰り返しです。
一番大きな声だったような気がします。
案の定、
審判は、日本の応援から遠いサイドをPKに選びます。
そんな嫌がらせ(笑)にも負けずに僕らも声をからします。

一本目を本田が決めたとき、
不思議と、いけるような気になりました。

これまで
2本PKを蹴って、一つはギリギリ、もう一つは止められて、
それでも1番プレッシャーのかかる1番手に本田を選ぶ、
ザッケローニの信頼、
そしてそれに応えるチームリーダー。

シリア戦で退場し、
カタール戦でも不甲斐ないところを見せてしまった川島が、
二本連続で止めたとき、
もう応援席はメチャクチャでした。

最後に蹴って試合を決めたのが、
PKを与えてしまった今野というのもザッケローニの意図なのかもしれない。

なんたる信頼感、
そして交代選手といい、それに応える選手達。

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試合が終了して、応援席に挨拶に向かうとき、
走って本田に飛びついて、もっとも喜びを表現したいたのが控え選手達。
そんなことも一体感が感じられます。

伊野波、細貝と交代選手が結果を出しています。そして、権田と森脇を除く全員が出場しています。
控え選手も、自分達に出番があると知っているし、出場したら自分が活躍してやる、活躍できる、と信じているのが伝わってきます。

奇跡のような試合が3試合も続いて、
また2試合分疲れたような感じでした(笑

110125_06_JPN vs KOR

お約束のクールダウンランニング。
これもアウェイの楽しみなのかもしれません。
(また森脇が何かしようとしています・・・)

決勝の相手は、
ウズベキスタンに圧勝したオーストラリアですが、
この奇跡のような試合を見せてくれるザックと選手達を目の前にしたら、

負ける気がしません!

AFC Asian Cup Qatar 2011 QF Japan vs Qatar @ Al Gharafa

2011年1月21日

日本チームは、
グループリーグ第3戦のサウジに、5-0と大勝して、グループBの1位で決勝トーナメントに進出。
Quarter Finalは、A組2位の開催国カタールと対戦することになりました。

グループリーグ終了後、
対戦国がカタールということで、
チケットが一気に売れて、連日売り切れになります。
毎朝、少しずつチケットが放出されるのですが、
その都度、大慌ててでチケット購入者を取りまとめていました。
どういう運営をしているのか、さっぱり分かりません(笑

さらに、
エミール(カタールの王室のことをこのように呼びます)が、
カタールチームがこれまでと同じスタジアム、同じ時間で戦えるように、
試合会場とスケジュールを変更しろ、とAFCに言ったという報道がされました。

常識的に考えれば
そのようなことが通るはずはないのですが、
ここはカタール、
カタール人の言うことは、ましてやエミールの言うことは絶対です。
さらにAFC会長もカタール人、しかも、エミールのアル・サーニ家とは異なる部族の出身で、
権力を独占するアル・サーニ家に逆らえるはずがありません。

しかも、
試合前日の新聞では、
19時25分キックオフと違った時間が報道されていました。

当日の新聞を確認し、出発前、何度も何度もAFCのサイトを確認してから1時間前に到着するように出かけました。
Gharafaは、ドーハの北西の方、高層ビル群のWest Bay Areaからは割りと近いですが、
我が家からは少し離れていて、自動車で20分ぐらいかかります。

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試合開始1時間前だとこの程度です。選手が練習しております。
ここをホームチームとするカタールの強豪Gharafaのチームカラーの黄色と青に染め分けられています。
どうやら予定通り、ここで試合があるようです。

例によって、席は自由に座れる状態で、
僕らは、前の試合でテレビに映ったことに味をしめて、コールリーダーのそばに陣取ります。

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試合開始前、大会のキャラクターの着ぐるみが盛上げに来ますが・・・

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キックオフ時にはさすがに
2万5千人収容のスタジアムが満員です。

日本のスタメンは、内田が累積で停止、松井が怪我で帰国したこともあり、

       川島
伊野波 マヤ 今野 長友
     遠藤 長谷部
   岡崎 本田 香川
       前田

の布陣です。

一方、カタールの作戦はシンプル、
引いて守って、ロングボール、俊足の23番セバスティアンと12番アハメド・ユスフを走らせる作戦です。
カタールのサッカーはゴチャゴチャサッカー。
華麗なテクニックと言うよりもフィジカルを全面に出して、ファウルを厭わず激しく当たり、運動量も豊富です。

つまり、日本が最も苦手とするタイプ。

審判は、マレーシア人のセット。
中国アジアカップのときの、川口のあのヨルダン戦のPKの時の審判。
(今、YoutubeであのPK戦を見返しましたけど、すごいですね)

日本はあっさりと失点します。
苦し紛れに見えたクリアボールを23番が拾って速攻、
マヤと川島の股を抜きます。

スタンドから見る限りオフサイドで、サポーターからもオフサイドコールがあがりますが、
帰宅してから映像を見ると、伊野波が逆サイドで残っていることが分かります。

日本も慌てることなく、前半29分に同点に追いつきます。
下がってボールをもらいにきた本田に香川がパスを出して、スプリント、
ラインの裏でフリーになった岡崎にフワリと浮かせたパスを出し、
岡崎も冷静にGKの上にループ、それを香川が泥臭く押し込んで初得点。
ワンタッチから一瞬でペースを変えて完全に崩しての中央突破のゴール。

素晴らしい!

しかし、
全体的に日本の攻めはかみ合いません。
センターサークルが10mほど入ったところで、カタールは猛然とプレスをかけてきます。
遠藤や本田が持ちすぎて奪われ、
下がってボールを受けようとする香川も狙われ、
ここからカウンターで23番と12番を走らせる。
ボールの配給は必ず4番のローレンス。

徹底しています。

そして、ポジションニングが中途半端な伊野波のサイドを再三狙われます。

後半、カタールのメツ監督が勝負に出ます。
早い時間で、11番のブラジル人、ファビオ・セザールを入れます。
この選手は、カタールで最も有名な選手、運動量は少ないが、止まっているボールを蹴らせたら一流、という選手です。

その直後、
マヤの不用意なパスをカットされて、それに慌てて対応、
倒すだけなら良かったのですが、その後に後ろから足を引っ掛けて退場になってしまいます。
一枚目のイエローはちょっと厳しいカードに思えましたが、
これは遠くで見ていても、カードは仕方ないプレー、

あまりに軽率でした。

さらにこれを入ったばかりのファビオにニアを抜かれて直接決められます。
ファビオが蹴るなら、角度がなくても直接狙うのをファーストチョイスにすべきなのに、これもまたあまりに不用意な失点。

一人少ないのはシリア戦と同じでも、
今回は一点ビハインド。
実力で劣るカタールならガチガチに引いてくるはず、

さすがに、顔色が青ざめます。
正直に言って、僕は負けを覚悟しました。
このチームはあまりに未熟すぎる・・・
そのときコールリーダーの声が拡声器で聞こえてきました、

「まだまだ時間ありますよ。声出していきましょう」

そうだよ、シリア戦だって何とかなったじゃないか。
前田に代えて岩政を入れて、前のように本田のワントップにします。

しかし、不思議なことに、
カタールが引いてきません。
同じように追加点を狙ってきます。

本田のワントップが機能します。
本田にボールが納まると、香川や岡崎が走りこむスペースが出来ます。

そして、失点の8分後、後半26分に、香川の前にこぼれたボールを冷静に蹴りこんで同点とします。

それにしても、
伊野波が安定しません。
再三12番に裏を取られて、その都度、ひやりとします。

かといって、効果的な攻撃があるわけでもありません。
クロスは手前のDFに当たってばかり、たまに上がっても誰もいないところです。
思わず叫んでしまいました。

「伊野波、お前はもう上がらなくていいからちゃんと守備しろ!」

終了間際、
日本にチャンスが訪れます。
長友のフィードが相手に当たって本田の前にこぼれます。切れ込んでシュートしようとしたら倒される。
おいファールじゃないのか?!
そのこぼれだまを岡崎がひろって遠藤に。岡崎にレイトチャージ。
おいファールじゃないのか?!
その向こうで上がってきたサイドバックが転んでいる。長友か?
おいファールじゃないのか?!
遠藤が長谷部に戻す。その遠藤にもチャージ。
おいファールじゃないのか?!まだ流すのか?!
長谷部が香川にシュート性のパス。
香川が抜け出す、
一人交わす、
誰が見てもカード確実なバックチャージ
おい、PKだろ、PK!!!
しかし
こぼれたボールを誰かが押し込んで日本が勝ち越します。

誰?
誰が入れたの?
誰なのかサッパリ分かりません。

えーっと本田と岡崎と遠藤と長友と香川が転んでいるでしょ、長谷部がパス出したけど、誰?誰?誰?

モニターでリプレーが出ます。
2番?2番?伊野波?

なんでお前そこにいるんだよ!

もう応援席はメチャクチャです。
もう何て言ったら良いのか分からなくて、周りの人とハイタッチしまくり。

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選手の挨拶の後、
応援席から、マヤをコールしました。
退場になったために、最後の挨拶に出て来れなかったマヤともみんなで喜びたかった。
スパイクを脱いだマヤは一人でやってきて、
深々と頭を下げていきました。
そんなマヤに僕らはいつまでもマヤコールを続けたのでした。

それにしても
またしても2試合分ぐらい疲れる試合。
膝もガクガク、声もガラガラです。
いろんなことがありすぎるよ!

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そして試合終了後のお楽しみ、クールダウンのランニング。
途中で、森脇がフェンスを乗り越えて、何かやっていったのですが、
周りの駐在員達は何のことやらサッパリ・・・
http://maya.blogzine.jp/blog/2011/01/post_f0a1.html
どうやら、芸人さんのネタらしいのですが、最近の日本の事情は駐在員にはサッパリ分からないので、
周りでは、何?何?何あれ?って感じでした。

スタジアムを出たら、
子どもの同級生の親御さんがアル・ジャジーラのインタビューを受けてました。

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僕らも、
テレビに映るのが目的、みたいなところがあって、
みんな少しずつ派手になっていきます。

僕も、意気投合した後ろの席の人から、
「明日、日本に帰るんで良かったら使ってください」と手作りの大きな日の丸を託されました。
我が家は見た目はあまり派手にしないつもりですが、
これを持って残りの試合を応援するつもりです。

AFC Asian Cup Qatar 2011 Japan vs Syria @ Qatar Sports Club

2011年1月13日

僕のアジアカップ観戦の初戦は、
グループリーグ第2戦のシリア戦から。

初戦のヨルダン戦は、日曜日の16時15分キックオフ。
中東では金曜日がお休みになり、
この時間は勤務時間中なので、さすがに自粛したのですが、
シリア戦は木曜日の19時15分キックオフ。
会社を定時に抜け出して、キックオフの1時間前に入場します。

会場のQatar Sports Clubは、
前の週に、ナダルとフェデラーのやってきたExxonMobile Qatar Open Tennisの会場のすぐ隣、
今回のアジアカップの会場の中では、もっとも都心に位置します。
15000人収容、三ツ沢のような感じです。

チケットは全て指定席になっているのですが、
実際には、シリア側と日本側に分けられて、自由席になっています。

シリアは、
初戦、優勝候補といわれたサウジに勝ち、意気揚々です。
立地的にも飛行機で4時間ぐらいと近く、サポーターもものすごく盛上っています。

(写真が汚いのはレンズが汚れていたからです。ご容赦を・・・)

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1時間前なのに、もうシリア側は一杯です。

110113_02_JPN vs Syria

一方、我が方は・・・

それでも少しずつ、
お客さんが増えてきて、キックオフ直前には

110113_03_JPN vs Syria

と、ほぼ満員。まあ、シリア側がこっちにも入ってきているわけです。

入場者数は10453人。
キャパシティを考えると、ものすごく入っています。

***

初戦をギリギリのところで引き分けた日本としては、
最終戦が優勝候補のサウジだということを考えると、ここは勝っておきたいところです。

110113_04_JPN vs Syria 110113_05_JPN vs Syria

初戦では、
ドイツで前半戦MVPだった期待の香川と、チームリーダーの本田が不調、まったく期待はずれな動きだったのですが、
この試合でも香川はイマイチ。

得点シーンとなった前半32分も、香川が抜け出したところで決めなくちゃいけないところを、
松井の絶妙なアシストとコースを空けるためのブロックで長谷部がかろうじて得点します。

そして、
後半31分、川島に疑惑のレッドカードが出てPKが与えられます。

長谷部の弱いバックパスが出たところで、スタンドからは怒声が上がるのですが、
これを川島が外に出さずに中に入れるクリアミス、さらにそれに今野が絡んでしまって、
バックパスと思われてしまいます。
後から冷静に考えれば、今野がバックパスするなら、あんな中途半端なところではなくて、
ちゃんと外に出してCKにするだろう、と思うのですが、
帰宅してからYoutubeなどで動画をチェックしても、最後にどっちが触ったのか分かりません。

いずれにしても、前田を下げて西川をいれて、
一人少ない状態で1-1の同点、という事態になります。

日本としては必ず勝ちたい試合、しかし前の試合でサウジが負けていますから、
最悪、引分けでも最終戦に望みがあるな、と個人的には思っていました。

***

しかし、10人になった日本はここから変貌します。
思えば、この瞬間から日本チームの成長が始まったのかもしれません。

同点で数的優位、初戦でサウジを破っている勢いもあるのでしょう、シリアはここがチャンス、と攻めあがってきます。

一方の日本は、本田のワントップ。
これまで全くポストプレーが出来なかった前田と違って、苦し紛れに思えるクリアボールですら不思議と本田に納まります。
本田が一人前線で孤立しながら頑張ってボールをキープをして味方の上がりを待ちます。


!!
!!!

まさに、これはワールドカップの時の闘い方!

シリアが前に出て、フィールドプレーヤーが一人少なくなれば、
フィールドにスペースが出来ます。
このスペースを、岡崎が、長友が、内田が、長谷部が躍動します。

確かに押されてはいるけれど、こっちの攻撃も機能して、得点が入りそうな予感がします。

そして失点の6分後、後半37分、
審判が、「おあいこ」のようなPKを岡崎に与えて、本田が真ん中にきわどく決めて勝ち越します。

何と言うか、
2試合分応援したような、疲れる試合、
しかし、本当にシビレる試合で、
膝がガクガクです。

残り時間、
あんなにドキドキしたのは初めてです。
時計ばかり見て、
心臓だけじゃなくて、身体中がバクバク言っているような、あの感覚・・・

110113_06_JPN vs Syria

試合終了後、
シリア人サポーターはあっさりと帰ってしまいます。
こういうところは中東の人たちのアッサリしたところで、
あんなに熱狂していたのに、終わってしまえば、案外仲良く一緒に写真を撮ったりします。
(知り合いの一人は、シリア人に囲まれた、と言っていましたから例外もあるようですが・・・)

僕らは、念のために彼らとの衝突を避けるべく、しばらくの間、スタジアムに残っていたのですが、
試合を終えた選手達が、クールダウンのためにスタジアムをゆっくりとランニングしています。

110113_07_JPN vs Syria

お客さんも少なくなっていて、
選手もすぐ近くを走っているので、声を掛けると、手を降ってくれたりもして、
完全アウェーも、僕らにとっては選手との距離が近くて悪くないなあ、と思える瞬間です。